Ya-ko、塗り絵始めました。 カラフルなアイスショーThanksツアーと塗り絵のおはなし

 

 

ここ最近、自分で書いた落書きに色鉛筆で色を塗るのにはまっている。昨年から、家にいることが多くなった。時に、不安や鬱が頭をよぎる瞬間も増えていた。そんな時、私は、あるアイスショーを見て、あるフィギュアスケーターの影響で、塗り絵を始めてみようと思ったのだ。

そのフィギュアスケーターの名前は、浅田真央さん。「真央ちゃん」の愛称で知られるフィギュア界の大スターだ。

実をいうと、現役時代、応援はしていたのだが、いつも、マスコミに結果ばかり求められている彼女を気の毒に感じることが多かった。試合の前、記者会見やインタビューで、彼女が硬い表情をしているのを見ると、「きっと、いろいろ苦労しているんだろうな…」と思ってしまっていた。

彼女は2017年に引退した後、応援してくれていたファンに感謝の滑りを届けるために、Thanks ツアーを開催することになる。彼女にとって、大きなチャレンジだったと思う。

共演するのは、一部を除いて、オーディションで選ばれた無名なスケーターたち。振り付けも、構成も、一から彼女がスタッフと協力しながら、手がけなければいけなかった。現役時代、海外スケーターも招待される華やかなアイスショーを経験してきた彼女。きっと、不安や葛藤もあったことだろう。

Thanksツアーがスタートする前、私は、彼女の密着取材をテレビで見た事がある。アイスショーのオープニングまで、時間が無い中、振付がうまくまとまらない。みんなの私語も多かった。そんな状態の中、彼女は、みんなに厳しい言葉をかけた。

「自分たちだけのアイスショーじゃないから…みんな、お客さんが毎日、頑張って(お仕事を)やって、それで、見に来てくれるんだよ!」涙を浮かべながら、精いっぱいみんなに告げる、真央ちゃん。その姿は私の心に強烈な印象を与えた。

真央ちゃんは、私たちファンが、毎日、頑張って、やって、アイスショーを楽しみにしていることを受け止めてくれていたんだ…華やかな花束と声援に囲まれながら、私たちの気持ちに寄り添って、特別な思いをもって、アイスショーに賭けているんだ。そう思ったとき

「Thanks ツアー、いつか観に行きたいな」という気持ちが強くなった。

Thanksツアーは、開催から大成功を収め、3年間のロングラン公演となった。その最中、真央ちゃんのインスタグラムを覗いてみると、そこには、彼女の趣味である手描きのイラストや塗り絵がたくさんのっていた。いつも、疲れたり、心を無にしたいとき、塗り絵をして、色に癒されていると語っていた真央ちゃん。ひとつひとつの作品は、彼女が、自分の心にひたむきに向き合った跡が見えて、非常に好ましく思えた。

コロナ禍で行われたThanksツアーの最終公演、私は、配信ライブで、彼女のアイスショーを初めて見た。そこには、一から手作りで振り付けられたプログラムを出演者一丸となって、様々な色合いで滑っている姿があった。時に可愛らしく、時にかっこよく、しっとりとした月の光や、虹。真央ちゃんが滑ってきたプログラムは、まるで、彼女が作った手描きの塗り絵のようにポップで、華やかに彩られていた。きっと、見た人はみんな幸せな気持ちになるアイスショーだったと思う。

アイスショーを見終わった時、私も塗り絵を始めてみたいと思うようになった。家にいる時間、不安な心をリセットしたいとき、私も、真央ちゃんのように色に癒されてみようかな?

始まりは、軽い気持ちだったけど、実際始めてみると、様々な発見があった。庭に咲く花々や、緑、一つとして同じ色がないこと。目に見えない光を色にのせて表すことの難しさ。下手なりに、自分が作り上げた世界が色で満たされていくのは、喜びがあった。いくつか、私の下手な塗り絵をご紹介したい。

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こんな風に真央ちゃんも、不安な日々を、乗り切ったのかもしれない。一つのアイスショーを通して、様々な塗り絵を通して、私は彼女から豊かな時間の使い方を教えてもらった。

Thanksツアーを終えて、彼女はまた新たなアイスショーに向けて、再始動する。また、幸せな色に彩られ、幸せそうに滑る真央ちゃんとスケーターたちを、今度は客席から見たいと思っている。