青春ってほろ苦い? わが青春のポップソング特集

 

 

1月も、もうじき終わりを告げますね。つい、この間、なんとなく、自分が青春時代に聞いていた曲をTwitterでつぶやいたら、フォロワーさんと、「懐かしいですよね~!」って盛り上がったことがあったのです。ブログを始めて、もうじき1年。これまで、フィギュアスケートや、お気に入りの洋楽について、たくさんお話をさせていただきました。

今回は、自分の青春時代に焦点をあてて、どのような音楽を聴いてきたかを皆様にご紹介できれば、と思います。(今回の投稿で多分、私のだいたいの年齢、ばれますね。笑)

 

まず、物心ついたときに聞いていた音楽は、もちろん、テレビで流れていた歌謡曲。あまり、意味も追いかけずにクラスで流行っているからと、一通り、浅く広く口ずさんでいた子供時代。そんな時代がわりと続きます。

 

高校時代に辛い時期、自分が強く心を動かされた曲があります。それは、The Boomで「島唄」。

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沖縄民謡の三線から始まる独特な旋律。歌われている内容は痛ましい過去と平和への祈り。全ては「島に住む人々へのメッセージ」と、私には感じられました。実は、この曲、フィギュアスケート関連のエピソードも関係していて好きなのです。今、注目を集めている若手のフィギュアスケーター、鍵山優真選手のお父様、鍵山正和さん。正和さんは、現役を引退して、プロフィギュアスケーター時代に、この「島唄」で滑ったことがあったと、当時、雑誌で知りました。残念ながら、アイスショーだったのか、プロフィギュア選手権だったのかは、覚えていませんが、確か、外国人選手も多数参加しているイベントだったという記憶があります。日本人が、日本語の曲で、オリエンタリズムを表現する。今では、羽生選手が披露したことで、スタンダードになりつつあるこの流れ。しかし、私の若い頃は、インターネットもまだそこまで、進化しておらず、このような名曲をフィギュアスケーターが滑ることはとても珍しい出来事でした。このエピソードを知ってから、私はこの曲が更に好きになったのを覚えています。

 

そして、島唄とは対照的なムードの歌も、この当時、魅了されていたので、そちらもご紹介。

ORIGINAL LOVEで「接吻」。

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こちらの曲は、都会的でおしゃれなムードの曲ですよね。姉の影響で、ピチカートファイブなどを聴いていた私。野宮真紀さん以前にピチカートに所属していた田島さんが、新しく、立ち上げたバンドで披露したこの曲を聴いたとき、より、大人のリアルな恋愛ソングに感じて、かっこいいと思った記憶があります。まだ、恋に恋していた時代。大人の世界へのあこがれを強く意識させられた一曲ですね。

英語の勉強に、バイトに励んでいた短大時代、私の心に強くヒットした曲はこちら。

Michael Jackson, Janet Jackson で「Scream」。

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マイケル・ジャクソンがすごいのは、それは、もう、音楽にうとい私でもわかっていました。しかし、このジャネットとタッグを組んだ曲のインパクトってものすごいものがありましたね、当時。今のHIP HOPダンサーの方々が、当たり前に取り入れているスタイルを、このころに確立していたマイケルとジャネットのすごさ。このMVを何度も何度もビデオで見て、熱狂していました。おそらく、この当時日本で流行っていたダンス込みのエンターテインメントは、みんな、マイケルに影響を受けていたと言っても過言ではない、と思います。

 

そして、この時期、洋楽で私が大好きだった曲がもう一曲。

Des'ree で「You Gotta Be」。

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たまたま、マイケルがノミネートされていたMTVアワードでこの曲も、ノミネートされていたんですね。歌詞とか、分からなかったのですが、メロディーと深さを感じるボーカルに惹かれて、CDショップをはしごして、この曲を探し回った記憶があります。(当時、インターネットがなかったから、音楽を探すときは、CDショップの視聴コーナーで探す、というのが、私のスタンダードでした。)

前向きな歌詞と穏やかな歌い方、いつも、人生に迷ったときに聞くと、元気づけられます。こういう女性でありたい、と強く思わせてくれる歌ですね。

 

全て、という訳ではありませんが、青春時代に私が聞いていた音楽の一部をご紹介させていただきました。そうですね~。10代の頃は結構、コンプレックスの塊で、ネガティブな感覚にとらわれていた私を、音楽とフィギュアスケートが救ってくれていたような気がします。短大時代、世界に目が向き、洋楽などもチェックするようになって、視野が広がっていた時代。イギリスにホームステイした時に、日本のことを聞かれて、「日本ってどんな国なんだろう?」って思ったのをよく覚えていますね。日本のことを日本人の私がよく知らなかったら、国際交流って難しいんじゃないかな?そう、強く思った記憶があります。

音楽を通して、青春時代、どんなことを考えてきたかを再確認。好みや思考、国際感覚は今も、自分の中に核としてあるな~って改めて思うことができました。

 

最後に、青春のほろ苦さを歌う。最近の曲をご紹介。

藤井風で「青春病」

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大人になって振り返る青春の日々。

様々な思い出と共に私は今を生きている。皆さんの青春時代はどんな色をしていますか? 今度、機会がありましたら、シェアしあいたいな、って思います。

 

咲き誇れ、君たちよ! 四大陸フィギュアに寄せて

 

 

昨日、四大陸フィギュア2022が無事に閉幕しました。オリンピック前に開かれる国際試合、そこに派遣されたのはオリンピック・世界フィギュアに派遣されることのなかった選手たち。そして、彼らは私たちに大きな感動をもたらしてくれました。今回は、素晴らしい演技を披露してくれた日本人選手たちにスポットライトをあてていきたいと思います。

 

まずは、女子シングル。

 

今回、欠場した宮原知子選手の代わりに出場することになった、横井ゆは菜選手。急遽の決定で、準備をするのも大変だったと思います。SP、ところどころ、ミスはありましたが、切れのある動きでマラゲーニャを演じきりました。FP、クイーンメドレーの時、彼女の中で何かが沸き上がるのが感じられました。クイーンは魂の叫びのような音楽、シャウトするボーカルの盛り上がりと共に、ジャンプも次々絶妙なタイミングで決まっていきます。動きは音楽に呼応すると共に、観客とコネクトしているゆは菜ちゃん。感情がほとばしり、一瞬、この瞬間が競技会であることを忘れさせてくれるくらい、その日のゆは菜ちゃんのスケーティングは「歌って」いました。終わった後の大号泣。つられて、こちらまで涙が頬を伝いました。今季のクイーンメドレーは彼女も観客も心を揺さぶられるものになっていたと思います。

 

若手日本女子のホープ、松生理乃選手。SP冒頭のジャンプ、惜しくも転倒してしまいましたが、ワンハンドビールマンポジションのスピンはものすごい速さで目を奪われました。躍動感と疾走感が素晴らしく、若手のさわやかさと初々しさがプログラムを華やかなものにしていたと思います。FPは月光。ブルーを基調としたコスチュームには、ゴールドのラインがほどこされて、プログラムのイメージぴったり。気持ちを切り替えられたのか、終始、ジャンプが軽やかで、スケーティングも滑らかでした。まるで、紺碧の夜空に光る月の光のようなイメージが膨らんでいき、うっとりとする演技でフィニッシュ。終わった後、感極まったように涙を拭った彼女。何かから、解放されたような安どの表情と共に、こみ上げてくるものがあったのかもしれません。

 

そして、「優勝」という2文字を目標に掲げ、今大会に臨んでいた、三原舞依選手。全日本選手権、あと1歩のところで、オリンピック、世界選手権大会の代表を逃した彼女。しばらく、落ち込んでいたとのこと。それでも、レベルアップのためには、練習しかないと、気持ちを奮い立たせて、この大会まで、プログラムをブラッシュアップさせてきたであろうことは、演技からも感じ取ることができました。

SP、「夢破れて」ただただ、舞依ちゃんのひたむきな思いがリンクを満たしていくのを感じました。ふんわりとしたジャンプ、そして柔らかなスケーティング。その中に漲る強い想い。

これまでの舞依ちゃんの道のりを感じるようでした。

FPで妖精を演じた舞依ちゃん。最終滑走で臨むプレッシャーは相当なものだったでしょう。ジャンプ一つ一つが決まっていくごとに舞依ちゃんの動きはいきいきとしていて、リンクの妖精を思わせつつも、エネルギーがほとばしる、そんなFPだったと思います。

キスアンドクライで、点数が出た瞬間。優勝が決まった瞬間に見せた彼女の幸せな涙。

これまでの努力が花開いた瞬間を感じました。

 

男子シングルでもドラマティックな展開が。

 

今季、躍進を見せた、三宅星南選手。SPでは、4回転をきめて、音楽表現も情感たっぷりに演じます。点数はもう少し欲しかったところですが、まだまだ、新人の星南くん。この大会で間違いなく、みんなに存在を知らしめたことと思います。かならず、次の大会ではもっと点数が上がってくると確信。FPは白鳥の湖。王子様と魔王を演じる難しいプログラム。優雅なところと、激しさと、音楽によって演じ分ける巧みさ。彼の様々な個性が発揮されていました。このFPで、自己ベストを大きく更新。総合で4位につけたことは、今後の自信につながっていくのでは、と思います。

 

若手の勢いそのままに大会入りをした三浦佳生選手。SPのビバルディの四季では、ほれぼれするほどに見事なジャンプ。そして、ぐいぐい加速する疾走感。若さと迫力を感じました。クラシックの綺麗なプログラムの中にも、力強さを織り交ぜてくる、という個性が独特に思えました。FP、ポエタ。実は、直前に肉離れを起こしていたというかおくん。演技の途中も少し、痛そうな顔をしていたので、心配しながら、見ていました。しかし、四回転をなんなく決め、最後まで演技をまとめきった、かおくんは気迫が満ちていて、貫録も十分。総合で3位に入ったのは、かおくんの強い気持ちが引き寄せた結果だったと思います。

 

友野一希選手も、今回、優勝を目標に、この大会に臨んでいました。彼もまた、しばらくは落ち込んでいた時期もあったとのこと。しかし、気持ちを切り替えて、練習に励んでいたことを語ってくれていました。

SP、「ニューシネマパラダイス」今まで以上に映画を見ているような気持ちになったのは、私だけではないかもしれません。ジャンプ、スピン、スケーティング、動き、全てが一本の糸でつながっているかのように途切れなさ。ジャンプもきれいにきまって、これまでよりも更にハイクオリティな演技内容でした。

FP「ラ・ラ・ランド」。ところどころ惜しい部分もありましたが、最後まで引きずることなく、ミュージカルの世界を表現していました。友野くんが、「決して、あきらめない」と、口にしてから、大分時間が経ちました。友野くんの決意が、一歩ずつ、友野くんを「世界」へと近づけてきているのを、今回の戦いでも感じることができました。

 

気がづけば、もう、新春。春の訪れを気配で感じ取れるようになってきています。今回、日本の選手たちが、喜びに溢れ、幸せな涙を流しているのを見ることが出来て、本当にうれしかったです。諦めなければ、幸せに近づける、そういう風に感じられる試合でした。それぞれが、それぞれの花をリンクで咲かせることのできた四大陸フィギュア。見事に咲き誇った選手の皆さんに、大きな拍手と声援を送り続けたいと思います。

それぞれのスタートライン 新年を彩るNew Yearソング2022について

 

 

新年、あけましておめでとうございます! あわただしく年が明け、気が付いたらもう、仕事始めになってしまいましたね。初詣に行った人、家でゆっくり過ごした人、いろいろなお正月の過ごし方があったと思います。そういえば、お正月のBGMってみんな何を聴いているかな?とひらめいたのが数日前。そこから、Spotifyで曲を探し、まだ少し続くお正月モードに合わせた曲をセレクトしてみました。

 

まずは、こちら。寅年にちなんで、Katy perryの“Roar”。

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例え、抑え込まれても立ち上がり、虎の目を手に入れた戦士となる。そして、私はチャンピョンよ! 大きな声で吠えて見せるわ! なんだか、とっても挑戦的な歌。今年は寅年ですよね。試練は毎年襲ってくるけど、自分はチャンピョンなのだと言い聞かせて、虎のように強く進んでいけたら。なんだか、決意表明のようにも受け止められるこの曲。今年は、オリンピックもありますし、推しに対する応援、そして自分に対する応援という意味でも、すごくぴったりくるような気がします。

 

去年、辛いことがあった人は、今年、気持ちを切り替える必要がありますよね。そんな時にこの曲はいかがでしょうか?

Dua lipaで”Don’t Start Now”。

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恋人との別れを選んだ女性。もう立ち直って、新たな道を選んだの。私の前に表れないでね。あなたとのことは、終わったの。引き止めたって無駄なのよ。

強気な言葉で、過去を振り切ろうとしている反面、恋人に対する思いも伝わってきますよね。それでも、立ち直って前を向く姿を貫くカッコよさ、私も見習いたいなって思います。

リズムはとても、キャッチ―で少しディスコ調。パーティー感覚で聴ける曲と、少し感傷的な歌詞のバランスがとてもカッコいいですね。

 

新年にリリースされたJojiとBonoboのコラボナンバーは、自然と溶け合った美しいMVが特徴的な”From you“。

 

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幻想的なメロディーと、Jojiのささやくような歌い方には、独特の浮遊感を覚えます。新年、仕事始め、色々なことをこなしていく中で少し疲れたときなどに、エモーショナルなこの曲に癒されてみたいな~と思い、選曲。幻想的な曲に浸っていると、気分がリセットされて、新たな気持ちで新年に臨んでいけそうです。

 

そして、新年のパーティーが終わりを迎えるころ、こんな曲はいかがでしょうか。

Taylor Swiftの “New Year’s Day”。

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パーティーが終わって、恋人とワインのボトルを片付けている女性。彼はとても、モテる男性? 彼を独占したいけど… 様々な未来に思いを馳せ、この先もずっと、彼とこうしていられたら、先のことなんて、分からないけど、ね。新しい年が始まる時、大事な人と、この先も変わらぬ思いで過ごしていきたい、そんな気持ちは誰しもありますよね。パーティーの後片付けの合間に、過去や現在、未来の瞬間に思いを馳せることに、永遠性を感じました。とても、深い歌詞だと思います。

メロディーも美しく、心地いいので、浮かれた新年モードの中にひっそりと祈りの気持ちを持ちたいときには、ぴったりくると思います。

 

ここまで、ご紹介してきた、New yearソング2022の数々。新しい年は、心機一転、これからまた、始まるのだ、という気持ちになりますよね。仕事も、恋愛も、家事も、介護も、またひとつ、新しい気持ちで踏み出せたらいいな。そう、願わずにはいられません。燃え盛る炎にお正月飾りを放り込む前に、どうか、もう少し、お正月の気分に浸らせて…

今年一年、また、素敵なことが、皆様にありますように。

 

 

それぞれの翼をはためかせて… 全日本フィギュア フリー編

 

 

泣いても笑っても、全てが決まる、全日本フィギュア2021、フリー。当初から混戦模様が予想されていましたが、やはり、オリンピックシーズンの全日本には、通年とは違うドラマがありましたね。特別な印象を残してくれた演技を振り返っていきたいと思います。

 

女子シングル、冒頭に演技を披露したのは、念願のフリー進出を果たした、大庭雅選手。プログラムは、「タイタニック」。役柄になり切った雅ちゃんの船が静かに出港していきました。いつも、思うのですが、氷上の雅ちゃんは、本当に女優さんみたい! 動きや表情を見ていると、恋に落ちて、葛藤と、恐れがあって、それでも強い気持ちと、生きる喜びを噛みしめて…という一連の流れがはっきりと伝わってきます。今回、どのジャンプも、しっかり絶妙なタイミングで決まって、更に雅ちゃんが笑顔で滑っていくステップまで鮮やかでした。終わった後、納得したようにうなずく雅ちゃん。そして、キスアンドクライには、振付をされた安藤美姫さんの姿。雅ちゃんの夢が叶った瞬間に立ち会えたことに、喜びと幸せを私も感じていました。

 

ショートで気持ちのこもった、「レ・ミゼラブル」を披露した、三原舞依選手。フリーは、妖精になりきって、優雅に滑っていきました。一つ一つのジャンプは羽が生えたように軽くて空気を含んでいるよう。舞依ちゃんのもつ、優雅さやたおやかさが、会場を包み込んでいるように見えました。途中で、回転が抜けてしまう等のミスがありましたが、舞依ちゃんは、最後まで妖精でした。いつでも、夢みたいに美しい演技を見せてくれる舞依ちゃん。今回の演技も、「舞依ちゃん、大好き!」って、会場にいたら、叫んでしまっただろうと思います。

 

ショートが終わった時点で、かなりの緊張に包まれていただろうと思われる河辺愛菜選手。

フリーはまさに正念場。見ているこちらも、ピリッとした雰囲気をひしひしと感じていました。しかし、冒頭、彼女はショートの時同様、迫力のあるトリプルアクセルを決めました。そのジャンプは、すごく豪快で、高くて幅もあるジャンプ。理想的なトリプルアクセルが宙を舞いました。途中、ハラハラする部分もあったりしましたが、後半にこれまた、大きなトリプルトリプルをリカバリーで決めたとき、彼女の執念を感じました。まだまだ、若くてこれから伸び盛りの河辺選手。きっと、これからも、彼女は大きく飛躍していくだろうな、と期待を感じた4分間でした。

 

4年前、オリンピックまであとちょっとだった、樋口新葉選手。今季の彼女は、勝ちに来ている、そう演技が始まる前に思わせてくれました。力強く躍動感のある新葉ちゃんにぴったりの「ライオン・キングトリプルアクセルは少し着氷が乱れましたが、その他のジャンプはスピードに乗って、流れのある、新葉ちゃんの真骨頂ともいえるジャンプが続きました。ジャンプが決まるごとに、スピードも加速して、リズミカルな動きも気持ちよくはまっていく。プレッシャーのかかる場面で、演技を楽しんでいるように見えた新葉ちゃん。彼女の強い気持ちは最後まで途切れることがありませんでした。終わった後に、大粒の涙を流した新葉ちゃん。積み重なった思いがあったのでしょうか。信じて、努力してきたことが花開く瞬間を見られるのは本当に嬉しいです。うれし涙の新葉ちゃんに私ももらい泣きしてしまいました。

 

最終滑走の坂本花織選手。演技が始まってすぐ、プログラムのテーマ「強い女性」の姿が顔をのぞかせました。花が咲くような見事なダブルアクセルを決めた後のかおちゃんは、なぜか、安心してみていられる気持ちにさせてくれました。シーズンの初めは、難しいステップや動作がたくさん入った、このプログラムを体に馴染ませるのに、苦労していたように見えたこともありました。しかし、気持ちを奮い立たせ、試合のたびに、全て要素をブラッシュアップさせてきたかおちゃん。今回のフリーでは、今までやってきたことを信じて、自信たっぷりに、光り輝く強い女性を最後まで演じ切りました。終わった瞬間、スタンディングオーベーション。しなやかだったり、パワフルだったり、安定感があったり、女性の様々な要素をスケーティングで感じさせてくれた貫録の演技でした。

 

アイスダンス、チームココこと、小松原美里・小松原尊組が披露したのは「SAYURI」。和を感じさせてくれる美しい着物風のコスチュームの二人。愛を語る日本語のナレーションが随所に入る。珍しいナンバーでした。最初から、最後まで、二人のスケーティングの流れが途切れることはなかったです。スピードが加速していくごとに二人の間に通い合う「愛の強さ」も加圧していったように思えます。日本人として、世界に誇れる愛の世界をフリーダンスで魅せてくれた小松原組。会場の拍手が、二人の勝利を物語っていたように感じました。

 

男子シングル。リンクをミュージカル会場に変えたような印象を与えてくれたのは、「La la land」で挑む友野一希選手。演技が始まる前、とても穏やかな顔をしていた友野くん。始まった瞬間から、表情が豊かで楽しい気分に、観ている人を惹きこんでいきます。難しい4回転ジャンプも軽やかにリズムの中で決めていく。コレオシークエンスに差し掛かった時に、生き生きとのびのびと、音楽を演じ切るShow manの友野くんがそこにいて、会場は熱狂に包まれました。空まで飛んで行ってしまうのではないか、と思わせる躍動感。幸せの青い鳥になったみたい。そういう友野くんの演技が見られたことが嬉しかったです。

 

ショートプログラムで、高得点をたたき出し、最終グループでも、期待を集める新人スケーター、三浦佳生選手。ショートの勢いそのままに、フリープログラム「ポエタ」でも、「三浦佳生旋風」を巻き起こします。ジャンプがとにかく大きい!始まりから終わりまで、竜巻みたいに空中に舞い上がるかおくん。怖いもの知らずに見える16歳は、緊張を強さに変えて、最後のスピンまでスピードの中、演じ切りました。強気で、野心的で、冷静で、情熱的。これからも、いろんなかおくんが見たくなる。そんなかおくんのフリープログラムでした。

 

3位で折り返した鍵山優真選手。ここが決まれば、オリンピックもだいぶリアルに見えてきます。この「絶対失敗できない」状況をものにするのは、とてもプレッシャーのかかること。

しかし、始まりから、次々に難しいジャンプをさらっと決める優真くん。まるで、一本の糸がつながっているように、流れが途切れることのない演技。大事な時に大事なジャンプを決められる強い精神力を感じました。「彼の心は鋼で出来ているのか?」そんなことを考えそうになった時、演技を終えた優真くんが控えめに涙を拭った瞬間をカメラがとらえました。ああ、そうか、彼も、ここまで、悩んで、苦しんで、不安な状態と戦ってきたのだ、と悟りました。あまり感情を表に出さないようにして、クールに見えていたけれど、それはじっと心で耐えてきたということなのだな。父である正和さんと固い握手を交わした瞬間に、優真くんはいつものシャイな優真くんに戻っていきました。

 

宇野昌磨君選手が今季、チャレンジしてきたのは、名作のイメージが強い「ボレロ」。彼もまた、オリンピックに静かな闘志を燃やして臨んできました。いくつか、決めきれなかったジャンプもありながら、高難度の4フリップをプレッシャーのかかる場面で降りる等、ここぞ、というときの執念を感じました。エネルギーやスピードのコントロールの仕方、音楽の捉え方などは、これまでの経験が大きく作用していたように思います。ボレロの重厚なメロディーに彼らしい繊細さと大胆さを織り込んでいました。

 

そして、大トリは、やはりこの人、羽生結弦選手。演目は「天と地と」。誰もが驚愕したのは、最初のジャンプ。4アクセル。回転不足ながら、あと、もう少しのところまで、この難易度の高いジャンプを仕上げてきていたなんて、本当に人間業とは思えませんでした。オリンピックまでの時間の間に、このジャンプがどのくらい進化していくのかと、つい、未来に思いを馳せてしまいます。上杉謙信の姿を自らに重ねて、戦いに繰り出す武将を演じる羽生くん。彼の流れのあるジャンプや、しなやかで芯のある動きを見ていたら、まるで、彼は、この世界の自然を司る神の化身なのでは、と思えてきました。エネルギーが漲って、優しさと慈愛に満ちた羽生くんは、プログラムの中で風になったり、水になったり、火になったり、羽ばたく鳥になったりしました。「皆さんの幸せのために」そう、インタビューで話していた羽生くん。羽生くんは演技でみんなを幸せにするだけじゃない。彼は、氷上から、みんなを救っているのだと、そう思わせてくれる演技でした。

 

大きな感動の渦に包まれた全日本が終わっても、その余韻は今も尽きることなく、私の心にとどまり続けています。感動を与えてくれた選手たち、みんな、特別な翼でも持っているのでしょうか? 美しく、宙を舞い、特別な時間を運んでくれた、選手の皆さん、ありがとうございました。それぞれの翼をはためかせ、ドラマの続きは、また次の試合へと引き継がれます。

誰かが誰かのサンタになった夜。全日本フィギュアSP編

 

クリスマスが近づくこの季節。フィギュアスケートファンにとっては、とても忙しい季節です。なぜなら、オリンピック選考を兼ねた全日本フィギュアが開幕されるから。泣いても笑っても、この期間で全てが決まってしまいます。オリンピックに行ける枠は限りがあります。魅力的な選手がたくさんいるのに、選ばれる選手は、ほんの一握り。そんな厳しい戦いの火ぶたがとうとう切って落とされました。

私が個人的に印象に残った演技をご紹介できればと、思います。

 

まずは、女子ショートプログラム。今季、特別なプログラムを引っ提げて、試合に挑んでいたのは、26歳の大庭雅選手。自身で振り付けたこのプログラムは、どこを切り取っても大場選手の美しいラインが際立つ素敵なプログラムでした。のびのびと澄み切ったスケーティングが印象的。あふれんばかりの笑顔で、フィニッシュ。会場に気持ちのいい余韻が広がりました。この演技で、雅ちゃんは、念願のフリー進出を果たしました。安藤美姫さん振付の名作「タイタニック」を滑ることが決まったのです。

 

困難とずっと闘い続けてきた選手がいます。彼女の名前は三原舞依。幾度も、病気の為、休養を余儀なくされてきた彼女は、諦めない気持ちで、全日本まで戦い続けてきました。ショートプログラム演目は「夢破れて」。レ・ミゼラブルの登場人物になり切って、曲に入り込んで滑る舞依ちゃん。一瞬の間、今ここで試合が行われているということを、私は完全に忘れて見入ってしまいました。心が震えるような舞依ちゃんの想いが、スケーティングを通して、動きを通して、伝わってきました。終わった後、彼女は、役柄から、三原舞依に戻るのに、少しの間、時間がかかったように思えました。彼女から流れた一筋の涙。とても忘れられない瞬間でした。

 

大きな飛躍を見せた選手がいます。若手のホープ。河辺愛菜。彼女を認識したのは、去年あたりからなのですが、ダイナミックなジャンプが非常に印象に残る選手でした。ショートプログラムの冒頭、彼女は見事なトリプルアクセルを披露。多分、今まで見た彼女のジャンプの中で、一番クリーンにきまっていたのではないかと思います。動きにもシャープさとキレがあり、一蹴り一蹴りがよく伸びていました。演技が立体的に見えて、全日本で遂げた彼女の「覚醒」は破壊力がありました。

 

今季のお気に入りのプログラム。「Your song」を披露したのは、並々ならぬ思いを秘めていた樋口新葉選手。全てのジャンプにスピードと勢いがあり、こちらも胸のすくような爽快感のあるジャンプ。それまで、エネルギッシュな曲で滑るイメージがあった、新葉ちゃん。柔らかく包み込むような歌声のバラードの中、彼女の表情は生き生きと曲に溶け込んで、特別な情感を運んでいきました。エネルギーの中に見せた優しさと情愛。今、暗いことの多い世界の中で、光がぱっと差すような「Your song」でした。

 

日本のエースとして臨んだのは、我らが「リショー・プログラムの伝道師」、坂本花織選手。演じるのは「グラディエーター」。始まりから終わりまで、「うわ、ステップえぐいな。こんなに体重移動が激しいプログラムで、よく転ばないで、滑りぬけられる」と、度肝を抜かれました。複雑なステップを笑顔と共に滑りこなすかおちゃん。そして、流れの中で、大きなジャンプを披露するかおちゃん。全てがトータルパッケージ。ものすごい疾走感でした。振付家ブノワ・リショーさんがこだわりぬいた「強い女性」のイメージ。そのイメージをかおちゃんの色で染め上げてみせました。女神降臨を思わせたショートプログラムを見て、「表現者・坂本花織」の存在感を感じました。圧巻の点数でショート一位となり、フリーを迎えることとなります。

 

アイスダンスでは、チームkokoこと小松原美里・小松原尊選手が気迫のこもったディスコナンバーを魅せてくれました。流れるようなツイズルと、見栄えのするリフト、見ていると気持ちがどんどん盛り上がってきてしまいます。全ての要素を簡単そうに見せてしまうけど、きっと難しいエレメンツの連続だったのだろうな。あっという間に終わってしまうリズムダンスは、「これぞ、アイスダンス」という印象を与えてくれました。

 

そして、クリスマス・イブに行われた男子ショートプログラム

 

初っ端から、爆発力のある演技を見せてくれたのは、若干16歳の三浦佳生選手。演目は「ビバルディ・四季」弦楽器の尖った曲調にかおくんのソリッドなスケーティングが呼応。ジャンプが全て、大きくて、綺麗。スピードも、後半に行くにつれてどんどん加速。若干16歳にして、この存在感。この迫力。この貫録。一番滑走は点数が出にくいジンクスはどこへやら。堂々の高得点で、後続にプレッシャーをかける素晴らしい演技でした。

 

今季、台風の目になった選手がいます。「浪速のエンターテイナー」から「世界のエンターテイナー」へと躍進した、「俺たちの友野くん」。友野一希選手。

柔らかい音楽の「ニューシネマパラダイス」。わずかなミスがありつつも、瞬発力のあるジャンプを決めた後、ステップもスピンも難易度の高いレベル4を獲得。プログラムの起承転結がすごくはっきりして見えたのは、ステップやスピンがとても美しかったからかもしれません。いつか、友野くんが「感情があふれ出してくるような演技がしたい」とコメントしていたのを思い出しました。喜び、切なさ、様々な感情を感じさせてくれるショートプログラム、フリーへとつながる爪痕を残していたと思います。

 

世界選手権銀メダリストの鍵山優真くん。冒頭の4回転3回転を見事に決めて、こちらも、ストロング・インパクト。単独の4回転で惜しくも転倒してしまいましたが、全体的なスピードと勢いは目を見張るものがありました。練習では、単独の4回転が2回転になってしまうことが続いていたようなのですが、本番ではしっかり回りきる。こういう、本番までには仕上げてくる真の強さは、まだ10代なのに目を見張るものがあります。大人っぽいジャズのナンバー、小粋で可愛らしいイメージだったのが、シーズン後半には可愛らしいだけじゃなく、大人の表情も感じさせてくれていたことも、すごいなって思いました。

 

宇野昌磨選手。公式練習では、ジャンプが思うように決まらずに、羽生選手から声をかけられる一幕もありました。しかし、演技が始まる直前、ステファンとがっちり握手をしたあたりから、目の表情が変わり、スイッチが入っていくのを感じました。苦労していたなんて微塵も感じさせないくらい、ジャンプもしっかり入っていく。スピンやステップの所作には、今までと違う、「滑っていて幸せ」感が漂って、本当に充実した練習を行えていたことがうかがえました。こういった感動を五輪前に感じることができるのは、意味深いことだと思います。

 

そして、ついにその時が来ました。今季初参戦。ディフェンディングチャンピョン・羽生結弦選手。演目「ロンド・カプリチョーゾ」は、ピアノアレンジに編曲。怪我明けに果たしてどんな世界を見せてくれるのか、ワクワクがとまりません。曲の始まりと共にそこにいたのは、しなやかで、優しくて、そして力強い、羽生くんの物語。このプログラム、本当に羽生くん成分がかなり強めの作品に仕上がっています。ここまでの道のりで、もがきながら、苦しみながら、最後に何か「光」をつかんだようにふわっと飛び上がる羽生くん。エネルギーが会場に満ち溢れて、私の中にも、電流が走ったように何かが込み上げてくるのを感じました。羽生くんが、つかみ取ったものって、いろいろだったと思うけど、私には、一途に追い求めた「スケート愛」が感じられました。スケートによって苦しめられてきたことも、心で血を流したこともあるだろうな。でも、どんな時も、諦めずに自分を奮い立たせてきた羽生くん。その真っすぐで、真摯な「スケート愛」に、今回も心を動かされました。

 

時はクリスマス。祈ることが多い昨今の状況。そんな中で試合は行われました。どのスケーターも観ている私たちに感動というプレゼントを与えてくれる、サンタクロースみたいでしたね。私たちも、祈りや拍手を届けることで、選手の皆さんにとって、サンタクロースになれていたかな? 誰かが誰かのサンタクロースになれた夜。忘れられない輝きは、そのままフリーへと続きます。

~King and Queen達の宴~ 88rising・Head in the clouds 2021フェスについて

 

 

8月くらいからそわそわしていた。アメリカのレーベル、88rising所属のメンバーたちが集結するHead in the clouds 2021のフェスが11月に迫っていたからだ。昨今の状況の中で、本当にライブができるの?という不安。ずっと、活動休止状態のJojiがライブに出るって本当? フェスに関する情報は、チケットのことと、参加者はワクチン接種証明書を提出すること。うん、そうね。アメリカのロサンジェルスで行われるフェスは、日本人の私には遠すぎた。貧乏なおばさんには国境を越える財力も勇気もない。そんな中、朗報が舞い込むことになる。なんと、88risingさん、ライブストリームを配信するというではありませんか。Amazon primeのリンクが貼られたTwitterの告知は、フェスの直前。これは、見ろってことだよね… 迷うことなく、ライブストリームにアクセスした当日。結果、最高だった!

ほんの少しだけ、熱狂を思い出し、印象に残ったライブの模様をご紹介することにしよう。

 

まず、印象的だったのは、インドネシアのラッパー、Rich Brian。今夏は「edamame」もヒットを飛ばし、注目度が更に上がったシーズン。現れた瞬間、Brianから、オーラが漂っていた。生で彼のラップを聴くのはこれが初めて。言葉がクリアーに聞こえるし、息継ぎが大変そうなのに、自然にサウンドに声が溶ける。ラップスキルが高い人なのだということは、ラップに詳しくない私でも感じることが出来た。「edamame」では枝豆の着ぐるみを着たダンサーを従えて、お客さんを煽る、煽る。新曲「New tooth」ではMVの不穏な世界観をちらつかせ、表現力の高さを見せつけた。個人的にうれしかったのは、名曲「History」と「Drive Safe」が聞けたこと。そう。私がリッチブライアンの中で一番好きなのは「Drive Safe」だったのだ。最近、表現したいことがより尖った方向に行っている気がしていたBrian。もう、ライブで「Drive Safe」を聴くことはないのかな?と、思っていたところだった。嬉しい!やっぱりこの曲、いいな~。生で聴くとRich Brianのピュアな感じが更に伝わってきて、ジーンとしてしまった。

 

更に、88risingファンの間ではおなじみのアーティスト。Keshi。ベトナム人の両親の元で育ったテキサス州ヒューストン出身のシンガーソングライター。甘い声のラブソングが持ち味だ。歌っているところを初めて見たが、手足が長く、ステージで見栄えがするルックス。そんな、Keshiが憂いのあるボーカルを披露してくれるのだ。これは酔わない訳がない。

歌の途中で「えいえいお~」って聞こえたのでちょっとびっくり。なぜ、日本語?

ギターの演奏等、多彩なところも随所に見られ、これから、もっと、世界に認められるアーティストになるだろうと確信をもった。

 

今回、このフェスに並々ならぬ、意気込みで臨んでいたのでは、と思わせたのはNiki。言わずと知れたインドネシアの歌姫。まだ若いのに、もはやベテランと言ってもいいほどの貫録が感じられた。バックダンサーを従えて、魅惑的なダンスを披露した彼女。クールな歌が更に、凛とした存在感を放つ。かと思えば、フリルたっぷりのドレスで現れ、急にキュートなアイドルのイメージ。歌声も、衣装によって、少しずつ、色を変える彼女。視覚的にも、聴覚的にも、お客さんを楽しませることを知っている、エンターテイナーの面を随所に発揮した。ゴールドの衣装に身を包み、「Every summer time」を熱唱するNikiは、まるでシュープリムス時代のダイアナロスのようだった。しばらく、Niki旋風はとどまることを知らないだろう。

 

そして、そして、いよいよ大御所の登場! Jojiのステージが始まった時に、「本物のJojiだ!まさか、本当に出演するなんて…!」と大感動。だって、そりゃそうでしょ。ほぼ、1年、新曲出すでもなく、SNSも休止状態。沈黙を続けていたKingがどんなステージになるのか、期待半分、不安半分で、登場を待っていたら… あれ? Joji、元気そうだぞ! 歌声も前に見たライブの時より、パワーアップしている気がする。もともと、Jojiは歌声を聴かせるライブのイメージはなかった。彼はどちらかというと、ライブで、お客さんと、コネクトすること、パフォーマンスを楽しんでもらうことにフォーカスしているイメージがあった。そのパフォーマンスの世界は、ダークで、コミカルで、そしてあまりにもエロティック。正直、おばさんの私には刺激が強すぎるかな~などと思っていたことを謝りたくなった。J久しぶりにみんなの前に表れたJojiの歌声には張りがあり、歌声が更に深くなっていた。パフォーマンスもお客さんにプレゼントを投げるファンサービス。相変わらずのサービス精神旺盛なところを感じつつ、抑えるところは抑える匙加減のうまさ。Joji、パフォーマーとしても、シンガーとしても、また一段階ギアを上げた! そう思わせてくれるほど、その日のステージのJojiは神がかっていた。定番の「Slow dancing in the dark」。マイクを客席に向けて、「Daaaaark!」一緒に画面越しで歌ってしまったよね! いつか、ライブで生「daaaaark」したい、と思っていた私。配信ライブとは言え、夢がかなったことに感激もひとしおだった。きっと、一生、忘れない。ありがとう。Joji。

 

今回の88risingのフェス。開催は大成功に終わった。会場に行けたお客さんは、満足のステージだっただろう。世界中で、このフェスに参加できなかったファンの私たち。ライブに行きたくても行けない事情を抱えたそれぞれの地で、ライブストリームを鑑賞することが出来た。本来なら、このストリーム配信、料金がもっと発生してもおかしくないほどのクオリティーだった。なのに、88risingはこの配信をAmazonプライムで行った。多少の手数料がかかる場合もあるが、最低限の出費で、世界中の私たちはこのライブを楽しむことが出来た。そう感じたとき、88risingの心意気に私はとても感銘を受けた。彼らは知っている。彼らを支えているファンの私たちの経済事情を。そして、そんな私たちに寄り添った料金設定で、配信を敢行してくれた。そのことは、88risingが真のアーティスト集団なのだということを感じさせてくれた。これからも、厳しい時代は続く。けれども、こういった状況で工夫と配慮を駆使し、フェスを届けてくれるレーベルがあることは、未来に希望が持てることだと思う。どうか、また、フェスが開催されますように。その時、どこにいても、私たちはまた繋がれる。改めて、ありがとう、88rising。忘れないよ。この宴を。

 

Happy momentはBlueに溶けて… フィギュアスケートグランプリシリーズ ロシア大会 エキシビションについて

 

 

本来であれば、フィギュアスケート グランプリファイナルが行われるはずだった、今日。昨今の状況から、開催中止となり、その衝撃はスケオタだけではなく、日本中にショックを与えました。状況から考えたら、やむを得ないのは、頭では分かっていても、選手の気持ちを考えると、言葉になりませんでしたね。そして、こういった状況が、今後のシーズンにどう関わっていくのかを考えたとき、私たちは厳しい現実を前にブルーになってしまったと思います。

 

そんな状況の中、自分の心に浮かんできたのは、先月開催された、グランプリシリーズロシア大会のエキシビションの光景でした。そう、あの時、私たちは確かに幸せを受け止めていました。まだ、そのことを言葉にしていませんでしたね。個人的に印象に残ったエキシビションの数々、ほんの少しですが、思い出を辿っていきたいと思います。

 

まず、エキシビションの前半グループで印象に残ったのは、イタリアの選手、今回5位に入った、マテオ・リッツォ選手。インストゥルメンタルの静かな曲に乗せて、滑らかなスケーティングを披露。優雅な所作が、黒いTシャツとデニムのシンプルな装いに華を添えました。

 

そして、女子シングルで8位に入った松生理乃選手。曲名は「Say something」切ない別れのバラードナンバーです。若い彼女には意外に思えたナンバーでしたが、曲が始まると、ぴったり馴染んでいると感じました。音の拾い方や緩急の付け方が素直で、自然に曲のイメージが広がっていく。途中の3回転3回転も鮮やか! 音楽表現が豊かでジャンプもすごいってもう、これからが本当に楽しみになったのです。とても素敵な「Say something」でした。

 

後半、軽快なナンバーが続きます。

今回、4位に入ったアメリカのマライア・ベル選手。カントリー調のミュージックが明るく会場に響く中、小粋なリズムで滑る彼女は最高にキュート。今回の試合では、しっとりとしたナンバーの印象がつよかったのですが、終始、陽気な曲調のエキシビションは、彼女の明るい元気なイメージを強く印象付けてくれました。マライアの別の魅力が伝わってきて、楽しい気持ちになりました。

 

そして、今回、話題をさらったエキシビションと言えば、もちろん、この選手!

今大会3位に輝いた、我らが「浪速のエンターテイナー」、友野一希選手の登場に客席はヒートアップ。このプログラムは、スーツとネクタイに身を包み、ビジネスバックを手にした友野くんの「社会人1年目物語」です。丁度、今年の3月、同志社大学を卒業し、晴れて社会人スケーターとなった友野くん。同期で引退し、会社員となっていったお友達のことを思いながら、自らアイデアを出して作られたというこのプログラム。ビジネスマン一年目のストーリーが、リンクに展開していきました。新聞を読みながら「あ、やばい遅刻しちゃう」と大急ぎでバックを持って滑り始める友野くん。コミカルな動きの連続で、冒頭のトリプルアクセル、見事に決まった! 曲は「Bills」。ノリノリのボーカルが盛り上がる中で、動きも滑りも、生き生きしていて、エネルギーがリンクに満ち溢れていきました。2本目のトリプルアクセルも鮮やかに決めると、客席はさらに大歓声! 腰が痛いジェスチャー、大変そうな社会人生活、でも、勢いでのりきっていくぜ! そんな、メッセージがダイレクトに伝わってきて、なぜだか、私、涙が出てきました。何度も見ていたはずのエキシビションなのに、不思議ですね。この日のエキシビションの友野くんは本当にキラキラしていたのです。友野くん、あなたは「浪速のエンターテイナー」から「世界のエンターテイナー」になったね。友野くんの演技は、みんなを幸せにするよ。そんな風に思えたこの瞬間、私は間違いなく幸せでした。

その後も、素敵な演技は、どんどん、続いていきました。ミハイル・コリヤダ選手のイーグルは見事でうっとり。エリザベータ・トゥクタミシェワ選手の妖艶で誘うようなナンバーはロシアの土地をラスベガスに変えるほどの熱演でした。

今大会のエキシビション、終始、ブルーのライトが強かった! あまりにもブルーの色味が強いために、数名、ブルーの衣装を着たり、ブルーのボディペイントをしていたりした選手がライトに同化してしまうというハプニングがありましたが、それもまた、ご愛敬。

終始、幸せな時間でした。大会が終わった今でも、私は時々、このエキシビションを見返します。ともすれば、気持ちがブルーになってしまう昨今。でも、ほんの一時、ブルーのライトの下で、幸せな瞬間が溶けていたことを、折に触れて思い出したくなるのです。

忘れられないHappy momentをありがとう!また、いつか!