神秘的なアジアの歌姫 Nikiのこと

8月に入り、日中の暑さが容赦ない感じになってきましたね~。皆様いかがお過ごしでしょうか? オリンピックが盛り上がっている中、中継を見たり、見なかったり、とにかく暑いので寝込んでいることが多かったこの頃です。

そのような暑い季節の中、夏が似合う女性アーティストの曲をよくスマホで流して心を落ち着かせていました。今日は、そのアーティストのお話をしたいと思います。

 

彼女の名はNiki。アメリカのレーベル88rising所属、以前から、ブログで何回かご紹介させていただいていた、インドネシア出身のシンガーソングライターです。22歳の彼女は、早くから音楽活動を始め、15歳でコンペティション優勝を果たした後、ジャカルタで開かれた、テイラースウィフト・レッドツアーのオープニングアクトを務めたそうです。

当時から、歌唱力は折り紙付きだったことがうかがえますね。

 

私が彼女の存在に気が付いたのは、同88rising所属Jojiが出演した番組 「Feast mansion」がきっかけでした。

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この番組、ひたすらJoji、Rich Brianとゲストが作った料理を特別審査員としてNikiが登場して食べるシーンがありまして。。。 Jojiの作ったピザ、明らかにまずそう! 食べているときから、困惑顔のNiki! しかし、いい子です。まずいとは一言も言いません。終始にこやかな対応で気遣いのできる子だな、と感じました。

なにしろ当時88主要メンバーで女性アーティストとして目立っていたのは、Nikiという印象があったので、当然、YouTubeで彼女の歌を検索し始めました。

 

一言でいうと、彼女の歌声って最高なんです! 迫力と憂いが同居していて、一度聴いたら忘れられないボーカル。そのうえ、メロディもクール、歌詞は情熱的、相反する印象が交互に訪れました。さすが、88risingが注目する存在。

初期の歌でお気に入りの歌がこちら。

 

2018年の作品「Vintage」。

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別れた恋人ともしかしたら、よりが戻せるかも…? 「ふたりの付き合った時間はヴィンテージ」なんて、独特な言い回しで曲を聴いているだけでときめいた気分を味わわせてくれます。まだ少しあどけなくて黒髪のNikiも可愛い。

 

更に「Dancing with the Devil」

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おそらく恋人を亡くした…?のでしょうか? 喪失感の中でもがく気持ちを「悪魔と踊っている」と解釈するのも、彼女の感性のユニークさを感じます。少しダークなメロディーの中に、燃え盛る情念が見え隠れ。中毒性のある曲です。

 

更に、88risingのコンピレーションアルバム「Head in the cloudsⅡ」において、彼女の存在感は更に私の中で深まっていきました。個人的にこのアルバム、メインの一人はNikiという印象です。彼女の独特なグルーブが冴えている作品は次の通り。

 

2019年の作品「Indigo」。

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これ、これ! この曲! Nikiを初めて聴くという方には、真っ先にお勧めしたい、代表曲といっても過言ではありません。

少し、グロテスクなMV、インディゴブルーのNikiは天使?悪魔? 激しい恋の駆け引きを鮮やかな色に染め上げた最高にエモいこの曲は、夏のドライブにお勧めの一曲。夜に、インディゴブルーの空の下を車で走る時にこの曲をかけたくなりますね。

 

Head in the cloudsⅡからはこの曲もおすすめ。

「La la lost you」。

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この曲も失恋ソング。離れた恋人を思い、新たな生活を始めて頑張っているのだけど… 離れ離れなのに近くに感じる思い人、温かさとやさしさと強さが混じり、感傷的な色合いの強い曲ですね。この曲のNikiのボーカル、優し気に聞こえるのが切ないです。

 

そして、満を持して、2020年に、Nikiはフルアルバム。「Moon child」を発売します。このアルバムは、コロナ禍の中、つらいことも経験して、大変な状況だったようですが、とてもアーティスティックなアルバムに仕上がりました。

 

今までの彼女よりも、ソフトで神秘的なものを感じる楽曲が多かったです。愛の歌も、更に内側で深められて、若さの勢いよりも、大人の女性として熟成されていった跡を感じさせてくれました。

 

Moonchildからの楽曲 冒頭から聴かせます!

「Switchblade」

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自然界をつかさどる、女神のようなNiki。何か、神々しいエネルギーを感じる楽曲。個人的にはフィギュアスケート アイスショーのオープニングに使われてほしい。

 

更にメインディッシュとして外せないのは

 

「Lose」

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愛の難しさ、前を向いて歩いて行こうとする女性の強さ、この境地にたどり着くまでにどれだけの葛藤があったことでしょうか。とても傷つきやすい心を隠し、つよがりを言いながら、いつの間にか大人の女性になっていく。Niki節がさえわたる珠玉のラブソングです。

 

彼女の曲を聴いて思い浮かぶのは「誇り高きアジア女性の姿」です。愛に傷つき、愛にもがきながら、相手を決して責めることなく、愛情で包み、全てを悟り、決然と前を向く。そんな芯の強さを秘めた女性。曲を通して、Nikiが常に自分に誇りを持っていることを感じます。そして、ますます惹きこまれてしまうそんなシンガーソングライターです。

 

最後にNikiがインドネシアを思って歌った歌をご紹介します。

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熱帯の国に生まれ、声に湿度を持った彼女の楽曲を、私は、夏が終わっても愛で続けていくでしょう。