~心のアンテナを刺激した名曲たち~ 今季フィギュアスケートで気になった洋楽について
世界選手権も終わり、ここ最近、話題を集めていたアイスショー、Stars On Ice 2023 ジャパンツアーも10日間にわたる興行を終えました。今季は、羽生結弦選手プロ転向により、自身の自伝的単独公演という、前例がないアイスショーの成功、刺激されたのか、日本開催の世界選手権も、近年まれに見るレベルの高い戦いが繰り広げられました。
かねてから、フィギュアスケートから、洋楽を好きになり、いろいろとお気に入りの曲を増やしてきた私。 今シーズンのフィギュアスケートでも、多種多様な洋楽が使われ、お気に入りのプレイリストに仲間入りする曲が増えました。そこで、今シーズン、個人的にお気に入りの1曲になった洋楽を、その楽曲が使われたスケートの思い出と共にご紹介していきたいと思います。フィギュアスケートにご興味ある方は、共感を、洋楽好きの方は、これを機に、フィギュアスケートにご興味を持っていただけたら、嬉しいです。
まずは、世界フィギュア2023より、印象的だったイタリア出身アーティストの楽曲をご紹介。Måneskin で、Le parole lontane。
こちらの曲は、ショートプログラムでイタリアのマッテオ・リッツォ選手が使用していることを、私のフォロワーさんが教えてくれました。人気急上昇のマネスキン、フィギュアスケートで使われることが多いようです。マッテオ・リッツォ選手は、難しい4回転を取り入れられるポテンシャルもさることながら、表現面では成熟した大人の男性らしさがにじみ出るのが魅力の選手です。MVから感じられる、大人の愛の難しさ、誘惑、そう言った世界観も、クールに洒脱に表現していて、ジャンプミスがありながらも、独特の存在感を見せてくれていました。
マテオ・リッツォ選手と言えば、世界フィギュア2023フリーも欠かせません!
アメリカの大スターBruno Mars メドレーから、 Talking To The Moon。 That's What I Like。
フリーでは、肩の力が良い具合に抜けて、曲のメリハリを自在にスケーティングで表現していましたね。難しい4回転ループも見事に決めて、笑顔弾けるフィニッシュが印象的でした。 しっとりしたバラードナンバーから、ビートの効いた曲でスタイリッシュにお客さんを沸かす技巧に酔いしれました。
美しいスケーティングと、巧みなジャンプで世界フィギュア2023銀メダルに輝いたのは、韓国のチャ・ジュンファン選手。美しい滑りに定評のある彼がエキシビションナンバーに選んでいたのは、全米期待の新人アーティスト、JVKEのgolden hour。
じわりじわりと、ビルボードでランキングを伸ばしているこの曲はメロディーが非常に美しく、歌詞も哲学を帯びた文学的な愛の世界。サビの声を伸ばすパートで、ジュンファンは、しなやかなイナバウアーでリンクに弧を描きます。彼の滑りの美しさ、エモーショナルさを感じさせる繋ぎの技の見事さが、完璧に曲とマッチしていて、ため息が出るほど、美しかったです。
ギターサウンドがカッコいいロックナンバーで心動かされたのは、Stars On Ice Japan 2023のオープニングを飾ったThe Killers で All These Things That I've Done。
冒頭の羽生結弦くんの動きに無駄のない重厚なムーブメント、華やかに空間を切り裂くトゥアラビアン、連続タンブリングからのバタフライジャンプ。大技がなくても、ここまでリズムをとらえて離さない至高の技術の数々が、乾いたロックに呼応しているのが本当に最高です。出番はわずかですが、一気にアイスショーの世界へと惹きつけられました。
グループナンバーで目立ったのは島田高志郎選手。体の軸が真っすぐで、どのような姿勢変化の時も、動きが綺麗に軽さと洒脱さが発揮されていました。こういう、ロックテイストな楽曲が海外スケーターと混じっても、自然に感じられるところに、彼の表現能力の高さが垣間見えるような気がしました。
ラストは今シーズン世界フィギュア2023で優勝し、大躍進をとげた、りくりゅうペアこと、三浦 璃来/木原 龍一組。世界的に有名なバンドOneRepublic のI Livedでエキシビションナンバーを滑ります。
MVから、困難に立ち向かう姿や、決してあきらめないマインドがひしひしと伝わってきます。メッセージ性の強いナンバーに負けないくらい、二人は、大技を次々と繰り出し、インパクトを随所に見せつけてくれました。お互いの信頼関係があるからこその堂々とした滑りは、二人がこれまで、お互いを信じながら、諦めないでやってきたことを伺わせて、ジーンとしてしまいました。
今シーズンも、フィギュアスケートの熱演によって、お気に入りの洋楽がプレイリストに刻まれることが多い、いいフィギュアライフを送れていたのかな、と思います。
演技を見た感動と、曲から得た感動がセットになって、プレイリストに愛着が一層湧いていくのだと思います。
来年は、どんなお気に入りの曲に出会えるのでしょうか。乞うご期待!