Jojiアルバム Ballads1を聞いてみた。
前回のブログでご紹介させていただいたアーティスト、Jojiにはまって早3年。
今回は、彼を世に知らしめることとなったアルバム、「Balads1」について、ブログを書いてみたいと思います。
このアルバムは、ビルボードのHiphop部門でアジア人初の1位を記録しました。当時、音楽のことにそれほど詳しくなく、Hiphopというジャンルの音楽のことも、私はよくわかっていませんでした。Hiphopといえば、重みのあるリズムと、韻を踏むラップ、今、巷で流行しているダンスとセットの音楽、という、漠然としたイメージのまま、彼のアルバムを聞いてみた私は、正直、Jojiの音楽の多様さに衝撃をうけました。
ここで、いくつか、Ballads1で私が気に入っている曲をご紹介させていただきます。
まずは冒頭のATTENTION。
この曲の主人公は、自分を振り向いてくれない女性に必死に呼びかける、切ないバラード、と私は解釈しました。私が、とても好きな歌詞の一部を、少しだけ、和訳してみたいと思います。
I don’t wanna die so young.
Got so much to do.
I don’t smile for the camera.
Only smile for you.
Smile for you.
(そんなに早く死にたくはない)
(やることが沢山あるんだ)
(カメラの前じゃほほ笑まない)
(君のためにだけほほ笑むんだ)
(君のためにね)
この曲の中には、一つも、「I love you」という言葉は出てきません。だけど、「I love you」を言わないで、「I love you」を伝えるって、なんだかとても、日本人の感性のように私には感じられました。こんなこと、言われてみたい…
次に、個人的につぼにはまったのは、NO FUN。
友情がテーマのこの曲。友達のことを歌っているのですが、なにやら、とても複雑です。
壊れてしまった友情。成功した自分。葛藤の中で淡々と受け入れる現実。実体験?と感じさせてしまうほど、痛みのある曲ですね。Jojiのアルバムを聞く前に、動画で、彼がインターナショナル時代の友達や、Youtuber時代の友達とふざけているところを見ていた私は、「環境が変わって、Joji、友達関係に変化があったのかなあ。」と、感じたりしました。
And I keep to my self
Fuck with no one else.
And I know it’s my fault
But I don’t care.
And I keep to my self
Who are you to pretend?
And I know it’s my fault
It’ll never end.
(人と距離を置いている)
(誰一人立ち入らせない)
(それは俺のせいだって知ってる)
(だけど、構わない)
(人と距離を置いている)
(君、誰の振りをしてるの?)
(それは俺のせいだって知ってる)
(終わることなんてないんだ)
決して、明るい内容ではないのに、重く感じないのは、美しいメロディーとささやきかけるような甘い声、そして、「誰のせいにもしてない姿勢」に潔さを感じるからかもしれません。友情に悩み、人生に生きづらさを感じたことがあれば、共感するところの多い歌ではないかと感じます。
そして、アルバムの中の隠れた名曲と言えば、
繰り返しのフレーズとリズムが心地よく入ってくる曲ですが、こちらも相手とはすれ違いの状態のようですね… 実は、Ballads1で、私が一番お気に入りの曲なのです。
Cupid pass another my way (My way)
Another night a lot more days (More days)
Hard to think about you anymore (‘Bout you anymore)
But I keep you in my mind always (Always)
Called me on the phone last night (Last night)
Couldn’t hear your voice, I fight (I fight)
I won’t be around you anymore (Around you anymore)
In a dream where you feel alright
(天使は僕の別の道を通り過ぎる)(僕の道を)
(また別の夜が来て、もっとたくさんの日々が来る)(もっとたくさんの日々が)
(君のことをこれ以上考えるのは苦しいよ)(君のことをこれ以上は)
(だけど、君はいつだって、僕の心の中に居続ける)(いつだって)
(昨日の夜 電話してくれたよね)(昨日の夜)
(言い争って、君の声が聞こえなかった)(言い争って)
(僕はもう 君の周りにはいないだろう)(もう君の周りには)
(君は安心だと感じられる夢の中に)
終りかけている恋の中で、相手を大切に思っている。一瞬の感情の切り取り方が、切ないけど具体的で、心の中に深く入ってくるような気がします。冒頭のAttentionでも感じられるのですが、苦悩しながら、遠回しに相手を思いやる気持ちがちりばめられているところが、英語だけど、日本人的な歌詞だな、って思いました。
丁度、このアルバムを聞いていた時、私は、うまくいかないことがあって、(失業などいろいろ)メンタルがどん底の状態でした。音楽が、何も受け入れられない状態の中で、唯一心に触れたのが、Jojiのこのアルバムだったのです。
本当に辛い時って、前向きな言葉が、心に届かなかったりしますよね。少なくとも、私はそうでした。このアルバムは、全体的に、暗い歌詞が多いのですが、失った大事な人への思いに溢れ、喪失感の中でもがきながらも「生きようとしている」Jojiの姿が感じられました。聞いていると、英語なのに、歌詞がすっと心に入ってきて、私を落ち着かせてくれたのです。辛かった一時期、私は、このアルバムを聞いて、救われました。Jojiさん、本当にありがとう。
特に、お気に入りの3曲をご紹介しましたが、このBallads1は前回のブログでもご紹介した、Slow dancing in the darkを始め、珠玉の名曲ぞろいなので、是非一度、お手に取って聴いていただきたいな~と思って、絶賛おすすめしてしまいます。