美しい夢よ、覚めないで… フィギュアスケートグランプリシリーズ スケートアメリカ男子シングルフリー

戦いの始まりから一夜明けた今日。早くも王者の決まった試合がありました。

フィギュアスケートグランプリシリーズ、スケートアメリカ男子シングル。フリースケーティングが行われ、熱戦が繰り広げられたのです。

果たして、勝利の女神はどのスケーターにほほ笑んだのでしょうか。早速、印象に残った選手の模様を綴っていきたいとおもいます。

 

島田高志郎選手

まさかの最下位スタートから始まったフリーのプログラムは、チャップリンメドレー。

序盤は硬さも見えたのですが、音楽が進んでいくにつれ、自然にチャップリンの世界を氷に描いていきました。動きの一つ一つに無駄がなく、演技全体がつながっていて、チャップリンの夢のある世界や悲哀が、なんとなくムードで伝わってくるような。プログラム全体にジャンプがうまく溶け込んで、終わるころには、ミスを忘れていました。FP高得点をたたき出し、順位も大幅にUPしました。

 

三宅星南選手

前から思っていたのですが、星南選手は白シャツが似合うなあと感じます。どことなく、ノーブルな雰囲気を漂わせている彼は、タイタニックのジャックに、自然になり切っているように見えました。若干、ミスが目立ってはいましたが、シーズンの前半。ここから、ジャンプのタイミングが合ってくれば、とてもドラマティックなプログラムになるのではないかと、思います。

 

イリア・マリニン選手。

冒頭、4回転アクセルを難なく着氷。いったい、何が起こったのか、回る軸が細く、3回転に見えてしまうほど、スピーディーに高難度ジャンプを決めると、そこからは、完璧にマリニンくんの世界。それほど助走をつけずに、4回転のジャンプや、3回転半のシークエンスや。もう、どういうこと? 技のデパート状態に口あんぐりです。しかし、マリニンくん、ジャンプだけではなく、スケーティングでも、マリニンくんの雰囲気を客席に伝えていたと思います。大胆不敵で、野心家で、ストイックな若者が成長し、どのように羽化していくのか、もう、今から楽しみでなりません。終わってみれば、総合点300点に迫る勢い。逆転優勝の演技となりました。

 

チャ・ジュンファン選手

007のナンバーで、スリリングな色を全面的に出したプログラム。いくつか、ミスはありましたが、全体の流れがシームレス。技と技のつなぎにも微妙に凝ったものが多く、全体的な難易度の高さを随所にちりばめて、それが音楽と融合していました。総合的に魅せる力は、もしかしたら、出場選手の中で一番だったかなと、いう気がしています。

終わってみれば、3位に食い込む熱演を見せてくれました。

 

三浦佳生選手

冒頭の4回転ループ、惜しくも転倒してしまいましたが、あともう少しのところまで、来ていると感じました。全体的にスピードがあり、必死でひたむきな感じが、何かを追い求めているようで、そのまま、演じているビーストに重なるような気がしました。

佳生選手の視線の先に、美女が見えるようで、最初から最後まで、見所満載。

一つ順位を下げましたが、大健闘の銀メダル。次の試合の弾みになるような演技に思えました。

 

シーズン序盤ですが、この熱気。熱戦はやはり、フィギュアシーズンに突入したことを教えてくれますね。今回、思ったことなのですが、アメリカのお客さん。とても優しかったです。どの選手の素晴らしい所も、きちんと見て、大歓声でたたえてくれて、こういうムードの中で試合ができるって幸せだな、と思いました。

まだまだ、戦いは続きますが、夢を見ているような余韻に今しばらく浸りたいと思います。

Who will be the king on the ice? 氷上の氷を溶かして… フィギュアスケートグランプリシリーズスケートアメリカ 男子SPについて

 

いよいよ、フィギュアスケートグランプリシリーズ。スケートアメリカの火ぶたが切って落とされました。ここまで、選手一人ひとりがどのようにブラッシュアップさせてきているのか、非常に気になりますよね。

早速、フィギュアスケート男子シングルのショートプログラムから、気になった選手の演技を振り返っていきたいと思います。

 

 

 

島田高志郎選手

急遽出場ということで、調整があまりうまくいってなかったのかなと、心配になりました。思うようにジャンプがはまらず、苦戦しているように見えましたが、ステップ要素になると笑顔満開で、見る人を高志郎くんの世界に誘います。軽快で小粋なプログラムの雰囲気を音楽に乗せて演じ切り、拍手が起こりました。

 

三宅星南選手

冒頭の4回転、緊張していたと思いますが、しっかりときめて、見ている側にインパクトを与えてくれます。トリプルアクセルでミスはありましたが、曲の盛り上がりと共にドラマティックな面を随所に発揮して、映画「ゴースト」の主人公になりきったフィニッシュはミスを忘れさせてくれるようで、存在感が光りました。

 

イリア・マリニン選手

ブルース調の大人っぽい選曲を、クールに滑り切っていました。途中、4回転で転倒。しかし、その後は立て直し、随所に技術力の高さを発揮していたのがさすが。年齢を考えるとここまで、演技を大技入りでまとめ上げられる、プロフェッショナルな姿勢にただただ、脱帽です。FPではどんな演技を見せて、私たちを驚かせてくれるのか、楽しみでなりません。

 

ダニエル・グラスル選手

クワドルッツを鮮やかにきめて、ポテンシャルの高さをみせつけてくれました。体の柔らかい選手。随所に魅せる軟体スピン、あれ、女子選手でもなかなかできる人いないような気がします。独特な技術力をみせて、SP3位。FPでも要注目の選手の一人です。

 

チャ・ジュンファン選手

個人的にとても好きな、マイケルジャクソンプログラム。首の動かし方や、ムーンウォーク等、随所にマイケルらしさをとりいれながら、彼独自の妖艶さと、軽快さ、技術の正確さを余すところなく発揮。トリプルルッツトリプルループのコンビネーションをきめてくるところに、独自性を感じます。優雅な部分とキレのある部分のバランスがとれているので、魅せるプログラムの幅の広さは強みになると思います。

 

三浦佳生選手

最初から最後まで疾走感の溢れるタンゴを演じました。ジャンプが軽やかにきまると、次々、繰り出すエレメンツがシャープで見ごたえがあります。特に、スピンのスピードがアップしたように思いました。女性をダンスに誘い、踊りを終えるようなエンディング。起承転結がしっかりと伝わるスケーティングを披露してくれて、ショートプログラム、トップに立ちました。FPに向けて期待が高まります。

 

オリンピックが終わって、アマチュア競技から去っていった選手。休業中の選手など、様々ですが、やはり、試合がはじまると、一気に冬の競技としての盛り上がりが見えてきましたね。一体、氷上の王者は誰になるのでしょうか? 氷が解けるほどの熱演を、つぶさに見守っていきたいと思います。

狂気の調べに乗せて… Believer by Imagine Dragonsプログラム特集

 

 

つい最近、フィギュアスケートシーズン突入し、試合がちらほらと行われはじめました。プログラム情報も、少しずつ、解禁になってきましたね。

試合やアイスショーでプログラムをチェックし始めたとき、ある曲が、フィギュアスケーターの間で人気集中していることに気が付きました。

その曲は、Imagine Dragons – Believer。

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狂気が漂うメロディーとボーカル。痛みを乗り越えて、強くなっていこうとする気持ちを強く描いたメッセージソングです。

一度、曲を聴けば、「あ!聴いたことがある!」と誰もが思うほどに有名な曲です。

 

今回は、この曲に魅せられ、この曲を表現することにチャレンジしているスケーターに注目し、演技の印象を綴っていきたいと思います。

 

今シーズン、この曲をSPに選んでいるのは、北京オリンピック銀メダリストの鍵山優真選手。普段、大人しそうで内気そうに見える彼が、この激しいプログラム?と、少々意外な気がしたのですが、演技を通して見てみると、違和感はあまりありませんでした。体幹がしっかりしている鍵山くんは、体重移動の難しそうな微妙な動きもスムーズにこなしているように見えます。全体的に感じられるのは、内側に秘めたエネルギー。抑制が効いているからこそ、曲の持つ、メッセージ性にも説得力が生まれるのかな、という印象。試合の緊張感の中で、ジャンプが決まってきたときには、更に迫力が高まる気がします。本来、気の強い選手だと思うので、試合で見る時には、メリハリが更について、はまりプロになっていくと期待。イメージを一新する予感が感じられました。

 

弱冠13歳にして、この曲で自分を表現するスケーターがいます。ジュニアの注目株、中田 璃士(りお)選手です。この曲は、去年もSPで使用し、今シーズンも持ち越しているということは、自身がお気に入りのナンバーなのでしょうか?

一見、幼い容貌の彼が、曲が始まったとたんに豹変。この曲の持つ、激しさとクールさをうまく使い分け、曲と一体になる中田選手がそこにいます。すごく自然に、曲をとらえていて、ミュージックビデオを見ているような気にさせてくれます。彼なりにこの曲の物語を表現できているので、試合であることを一瞬、忘れさせてくれるような高揚感が残ります。

ジュニアグランプリシリーズのリーガ杯では、見事なトリプルアクセルを決め、今後の飛躍も一気に期待させてくれる演技を見せてくれました。

エモーショナルなスケートプリンスが、今後、どのようにこの曲を更に輝かせていくのか、要注目ですね。

 

そして、韓国の人気スケーター、チャ・ジュンファン選手も、ショーナンバーで、この曲を披露してくれました。全体的になめらかさとしなやかさが際立つ表現になっていて、どこか、大人の妖艶さも感じさせてくれました。

私は、個人的に彼のイナ・バウアーが大好きなのですが、曲の盛り上がりで、効果的に魅せているのがとても好印象。曲のイメージはどこか、ソフトに落ち着き、ミステリアスな要素が強くなっているところに個性を感じます。

彼は、洋楽を滑るセンスがずば抜けていると、感じていましたが、今回も、存分に魅力を発揮してくれています。

 

同じアーティストの同じ曲でも、滑る選手によって、こんなにも見える景色が違うことにびっくりしてしまいました。時代の空気を切り取るようなメッセージ性の強いこの曲は、スケーターにとって、イマジネーションを掻き立てられるのかもしれません。

 

今シーズンのハイライトとして、この曲、プログラム、スケーターに注目してみるのも、新たな発見が出来て楽しいです。

 

これから始まる新しいシーズンも、更に、いろいろな音楽、いろいろなプログラムに注目してみていきたいと思います。

Colorful drive = Love プレイリスト強化月間 ドライブ中に聴きたいプレイリストとは

 

プレイリスト強化月間も第三弾。「ドライブのプレイリストに興味があります」とのお声をいただいたのがきっかけで、車の中で、どんな世界観に浸りたいのかな~と、Spotifyとにらめっこの日々が続きました。ドライブ中のシチュエーションを歌ったものから、今の気分の曲まで、幅広く、お届けしていこうと思います。

 

まずは、アジアを中心に活躍を続けているJackson Wangの最新アルバムから一曲ご紹介。

Drive It Like You Stole It。

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タバコと夜の退廃的な空気の中、赤いドレスの女の子を車に誘う主人公。スリリングな駆け引きのただよくドライブの始まりです。注目すべきは歌詞の一部分、「You better drive it like you stole it」。奪うのは、彼女の心、ということなのでしょうか。どこか危険なにおいのするドライブ。熱を帯びたドライブデートに、ぴったりとくるような曲ですね。

 

更に、恋のドライブは、ヒートアップの様相を呈していきます。次にご紹介するのは、日本にルーツのあるアーティスト、Conan Grayの一曲。

Overdrive

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愛しい君が隣に座っている中、猛スピードで車を走らせる主人公。まるで、スピードが、彼の心の高まりであるかのよう。加速していく恋は、もう、誰にも止められない。ビートが心地よく感じるこの曲。ついつい速度を速めてしまいそうなので、注意が必要かもしれません。

甘い恋の駆け引き、というよりは、知り合って間もない相手との間で、恋が燃え上がっていくのが感じられますね。恋をしている時って、周りが目に入らないくらい、頭の中で、相手のことが、いっぱいになってしまうものですよね。

 

燃え上がった恋が、徐々に終わりに近づいていくときがあります。さよならは、急にやってくるとは限りません。なんでもない日常のやりとりの中で、少しずつ、相手との距離が生まれて、やがて静かにお別れを迎える。大人の恋には、そういう瞬間も多々あるかもしれません。そんな時におすすめなのは、気鋭のシンガーソングライター、Omar Apolloで、

Go Away。

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好きな人に会えなくなった時に、ずっと会えていたら、と思う。切ない気持ちが綴られています。特別に好きだけど、多くを望んでしまったら、二人の関係が壊れてしまうような気がしているのでしょうか。さよならは、近づいているけれど、想いの残る今の気持ちがストレートに表現されているような一曲。スローな別れのナンバーは、熱く高まったドライブの空気を少し、落ち着かせてくれる効果が期待できます。

 

恋人に新しい相手の存在が現れたら、静かなお別れの中にはそんなシチュエーションもついて回りますよね。Rex Orange Countyの曲は、まさにそんな複雑な心情を切り取った曲になります。

THREAT 。

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少し、怖いMVですが、大丈夫なのでしょうか。恋人に突如現れる彼が自分にとって「THREAT(脅威)」にならなければいいけど…でも嫌な予感がするようです。

彼女が電話をくれたら、スピードを上げて、会いに行く準備がある様子。不安や疑心暗鬼で揺れ動く心情が垣間見えますが、サウンドは落ち着いていて、クールな印象ですね。

 

出会い 駆け引き、そして、お別れ。ドライブの曲を探していたら、ラブストーリーのような起承転結が生まれてきました。

 

個人的に愛について、考える時、いつでも、理想としているモットーがあります。それは、「一度、好きになった人は、これからも、ずっと好き」。うまくいかないことも、伝わらないことも、裏切りも、人生の中にはついて回ることと思います。それでも、一度、信じて、愛して、心を開いた人のことは、生涯、嫌いにならないような、そんな気持ちをもっていたい。なかなか、難しさを伴うこととは思いますが、「好き」って特別な気持ちだから、そう、信じていたい、そんな風に思える恋をしていたい。いつも、心に留めておく気持ちです。

 

ドライブの終着点、耳を傾けていたいのは、ジョナス・ブルーとルイーザ・ジョンソンとのコラボ曲。

Always Be There。

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「私は、いつだって、あなたのそばにいるよ」。恋人同士でも、家族でも、最近できたお友達でも、そんな言葉をかけあって人生を乗り切っていきたいですね。

きっと、いろんなことがあっても、許し合って、なんとなく、楽しい時を過ごして、心は、いつでも、「そばにいる」。ドライブの締めくくりに強く、熱い、愛の言葉を感じて家路につきたいな、と考えました。

 

ドライブを通して、様々な愛の彩りを感じることが出来ました。なにげない日常をいとおしく思えるように、日々、頑張っていきたいですね。

 

今回のドライブのプレイリストは下記にリンクを貼っておきます。もし、ご興味がありましたら、是非、聞いてみてください。

open.spotify.com

Let’s go Sunshine! まばゆいきらめきの戦い。フィギュアスケートジュニアグランプリ・オストラヴァ大会

 

 

ついこの間、フィギュアスケートJGPS(ジュニアグランプリシリーズ)がチェコオストラヴァで開かれました。この大会、日本の若手選手がつぎつぎと、上位に食い込み、フィギュア大国日本の強さを見せつけました。日本選手の活躍と、個人的に気になった選手をピックアップし、感想を綴っていきたいと思います。

 

島田麻央選手。

SP:ライオンキング

きれいな高難度のジャンプ、エネルギッシュなスケーティング、フィニッシュの高速回転Y字スパイラル。全てが言うことなし。まるで、太陽の光のよう。最初から最後まで卓越した技術で滑りぬけて、あっという間に終わってしまいました。

FP:パスピエ(バレエ組曲

冒頭のトリプルアクセル。踏切もきれいに富んでいるように見えました。流れのあるランディングに目を奪われます。4T惜しくも転倒。それでも、他の要素では、多才な技術力を見せつけてくれました。どなたかもおっしゃっていたけれど、コレオシークエンスのスパイラルにミッシェルクワンを思わせるところがありますね。もしかしたら、好きなのでしょうか? 今の彼女はきっと、真っ白なキャンバスのような状態と思われます。ここから、どんな色が加えられていくのか、麻央さまの今後に要注目です。

 

韓国のMinsol KWON選手。

SP:死の舞踏

あどけなさの残る少女が、曲が変わると一変。終始、妖艶さが漂い続けます。こちらも、ジャンプもスピンも、綺麗にきまりました。彼女は演技力があるスケーターのような気がします。全体的に、プログラムの雰囲気をつかんで、自分の色に染める力があるような。どこか、不穏で、ミステリアスな、現実感のない雰囲気を感じて、見入ってしまいました。

FP:ミュージカル「キャッツ」

髪型も猫の耳を作ってとてもキュート! プログラムに入ると、動きとか、目線がしなやかで本当に猫みたいでした。ミュージカルの楽しい雰囲気を織り交ぜながら、難しいジャンプも難なく着氷。演じる幅の広さを感じます。プログラムのたびに違った表情で役に入り込めるのは、天性のひらめきと思います。これからが非常に楽しみですね。

 

櫛田育良選手。

SP:映画「レッドバイオリン」より

大柄でキレのある動きが特徴的な彼女。姿勢がとてもよくて、リンクでも、見栄えがする選手です。最後のジャンプでミスがありましたが、哀愁が漂うスパニッシュのメロディーを緩急のつけた動きでよく表していました。音楽表現が非常に印象深く心に残る選手です。

 

FP:サムソンとデリラ

怪人サムソンを誘惑する悪女デリラをどのように演じるか。スケーターの解釈が問われるところですが、最後まで、力強く迫力を保ったまま、情熱的なフィニッシュ。きっと、今の彼女だからできる表現のように思います。まだ14歳ながら、貫録十分で惹きこまれましたね。

 

カップル競技。日本人スケーターの活躍が光りました。

 

ペア出場。“はるすみ”で知られる。村上遙奈&森口澄士組。

FP:ビートルズメドレー

ソロジャンプのトリプルルッツ高さがありました。コンビネーションジャンプとダブルアクセルのシークエンスと、凝った構成が決まり、勢いを感じさせてくれます。リフトやスピンなども、息が合っていて、お互いの信頼関係が形になって表れているようでした。

総合でも4位の大健闘! りくりゅうに続いて、注目ペアの登場に期待が高まります。

 

アイスダンス出場。“きだもり”の愛称がおなじみの來田奈央&森田真沙也組。

FP: 映画『レッド・ノーティス』より

まだ、ジュニアとは思えないほど、雰囲気が大人っぽく、成熟しています。スケーティングにキレと勢い。ローテーションリフトなども、力みが無く自然に行っていて、競技プロであることを忘れてしまうほど、人を惹きこむ力があると感じました。

総合3位と、こちらも大健闘。日本のカップル競技、明るい未来が垣間見えました。

 

続いては男子。要注目が続きます。

 

吉田希選手

SP:マラゲーニャ

冒頭のトリプルアクセルが決まったことで、流れが出来ました。以前、アイスショーで見たときよりも、ジャンプが安定してきているような。ジャンプ、ここぞ、というときに諦めない姿勢が見えました。ぎりぎりの戦いで、勝っていくには、強い気持ちが大事だな~と思わせてくれる演技。

FP:パイレーツオブカリビアン

4回転ジャンプを日本決めて、勢いが感じられました。疾走感のあるプログラムが体に馴染んで、いい集中で動いていたと思います。終わってみれば、逆転優勝。これからの戦いに弾みがつくような勝利でした。

 

韓国のMinkyu SEO選手。

 

SP:ポールアンカで「You are my destiny」

大人っぽい選曲。あどけない要望ですが、違和感がありませんでした。しっとりしたパートと、感情を吐き出すような強いパートで、緩急をつけるのがとても巧みで、起承転結がはっきりしていたように思います。プログラムを自分のものにして、小さな世界を構築していました。

FP:ニューシネマパラダイス

SPとは違う、柔らかくロマンティックな振付。夢をひたむきに追いかけるようなイメージが氷上に広がっていきました。途中、ミスはありましたが、曲をとらえるセンスやスピードあふれる滑りは、まばゆく輝いていて、目が離せませんでした。総合で4位となりましたが、まだ、13歳。大きく進化を遂げそうなこの少年。要注目だと思います。

 

フィギュアスケートシーズンの幕開けと共に、世界に飛び出していく新しいサンシャインたち。暗いことの多い世の中を明るく照らしてくれているようですね。彼女たちはまさに日の出の勢いを感じます。まだまだ、続く戦い。まばゆい光のきらめきを、これからも追いかけていきたいと思います。

~Night is melting~ プレイリスト強化月間 お酒が飲みたくなるプレイリストについて

ごきげんよう

9月が始まったばかり、まだ少し、蒸し暑さが残る中、気が付けば、週末にさしかかりましたね。金曜日の仕事納めの後、少しだけ羽目を外して、お酒を飲んでしまう方も多いのではないでしょうか? 

そこで、プレイリスト強化月間第二弾といたしまして、「お酒がのみたくなるプレイリスト」を特集してみることにしました。

果たして、曲探しの旅、どのような世界が広がっているでしょうか。

 

まず、最初に思いついたのは、Jojiの名曲から、「Yeah right」。

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夜通し、お酒におぼれてパーティーを繰り広げる、少し、破滅的な主人公。その行動の原因には、失恋が付きまといます。もう、お互いやり直せない仲になってもなお、彼女のことが忘れられない様子。夜という隠れ蓑をまとって、さまざまな思考が脳裏をよぎる様子がリアルに映し出される切ない曲です。酔っている時って、もう一人の自分が酔っぱらった自分を冷静に見ている瞬間がありますよね。誰かのダンスにいい気分になりながら、「愛って、人生って何だろう?」って、ふと我に返る時を描くことによって、この曲を「ただ、だめな主人公にさせない」魔法がかけられるような気がします。お酒の狂気と悲しさをクールに表した、珠玉の一曲。

 

続いて、ご紹介するのは、Khalidのスマッシュヒットソングで「Numb」

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Numb,という言葉には、「感覚がマヒすること」という意味があります。こちらの曲の主人公も、ギリギリの状態で生きているタイプの人なのでしょうか。お酒は確かに人を麻痺させる力があるような気がします。「感覚を失っていくような状態」を望みながら、気になる意中の人を思う気持ち。どこか、相手を心の拠り所にしているようなところがありそうですね。少し、重い気持ちを歌っているのに、サウンドはライトで、とてもキャッチ―です。私は、クラブに行ったことがないのですが、なんとなく、クラブでかかっていそうなイメージに思えました。

 

お酒の力を借りて、強がりが言いたくなる気分ってありますよね。そんな時にお勧めなのは、Valleyで「CHAMPAGNE」。

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生きているといろいろ辛いことも、ある。でも、辛いのは自分だけじゃない。だから、いま、この時、辛い気持ちはシャンペンで洗い流しちゃおう。悲しい中にも、現実に踏みとどまって、前を向こうとしている気持ちを感じます。恐らく、多くの人の共感を呼ぶ歌なのではないでしょうか。サウンドはビートに乗って、悲しみを浄化させてくれるような綺麗なイメージが広がってきそうです。

 

お酒を飲んだ時って、途中で、酔い覚ましのお水を飲むことってありませんか?そんな時にお勧めなのは、August08 with Jhene Aikoで、「Water Sign」。

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月夜に照らされたブルーのステージで踊る二人が印象的なMV。優しく、包み込むボーカルが、心を癒してくれる気がします。相手のことを深く思っている気持ちを、再確認できる瞬間。飲み会の途中や後で、大事な人を思い出したり、連絡したいなって思ったりしたときは、この曲が、ぴったり寄り添っていそう。

 

邦楽から、私が好きなお酒ソングをご紹介。

きのこ帝国で、「クロノスタシス」。

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お店に行って飲み会もいいけど、愛しい人や家族、仲間といっしょにコンビニでビールを買って、プライベートな空間で酔いしれる瞬間も素敵ですよね。

ほろ酔い加減の時に、相手の存在をちかくに感じて、時間が止まったように感じられる。

お酒にはそんなかけがえのない瞬間を形作ってくれる作用もあるような気がします。

 

刹那的な時も、感覚がマヒした時も、強がる時も、いとおしい気持ちになる時も、

忘れられないお酒ソングと、お気に入りのドリンクで、人生を特別に彩ってみたら、素敵かな、とプレイリストを作りながら、思ってしまいました。

 

夜が溶けていくように、お酒の魔法にしばし、酔いしれながら、みんなに乾杯。

お酒のプレイリスト紹介でした!

秋を呼ぶ声 ~プレイリスト強化月間~ 秋に聴きたいソング特集

ご無沙汰しておりました。皆様、お元気ですか?

最近、少しずつ、街が秋めいてきているのを感じます。田んぼの稲が黄金色に近づいたり、里芋の芋煮が食べたくなったり、通りのイチョウ並木も色づき始めました。

そこで、これから迎える秋にぴったりと添う曲は、どんな曲かな~と個人的にセレクトしてみました。とっておきの秋に聴きたいプレイリスト。早速、紹介していきたいとおもいます。

 

まずは、我が推し、Jojiの新曲。YUKON(INTERLUDE)をご紹介。

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ロングヒットを続けている、「Glimpse Of Us」に続くこちらのナンバーは、クールなアップテンポのビートが冴える一曲。ところどころに、「どこか遠くに行ってしまいそうな僕」を滲ませる雰囲気は、「孤独のプロフェッショナル Joji」ならではの世界観だと思います。時間を早めたり、巻き戻したり、ミラーボールが溶け出す、独特な描写のMVは、一度見たら忘れられません。抑えたエモーショナルさが魅力のこの曲で、ゆったり、秋を感じてみませんか?

 

ニューアルバム「Nicole」をリリースしたばかり、インドネシアの歌姫 Nikiによるロマンティックな青春ソングは High school in Jakarta

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ジャカルタの高校に通っていたころの、ボーイフレンドを思い出している曲。まるで、ロミオとジュリエットのようなシチュエーション。青春時代にまっすぐ彼のことを愛していたことが、歌詞からも伝わってきます。あの時、運命を変えることが出来たのかな…? そんな風に思えるドラマティックなラブストーリー。実は、Nikiの今回のニューアルバムにちなんで、ショートムービーが作成されているようなのです。女優としてのNikiを感じてみたい方は、ぜひチェックしてみてください。

 

大切な親友を思って歌われているのは、

Lukas Graham ft Khalidで、「Wish You Were Here」。

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実力派の二人組によるコラボ。間違いなしの名曲です。大切な人がここにいれば、そう思うことって人生で何度も訪れますよね。かけがえのない人が自分の側にいることは、決して当たり前のことではないのだと、改めて感じます。

心の叫びを歌い上げるLukasと、抑えめにささやくように歌うkhalidとの対比も、この曲を切なく感じさせてくれて、秋のどこか刹那的な瞬間にぴったり合うと思います。

 

美しいあなたといる瞬間はGolden Hour。ロマンティックな言葉で綴られているのは、Surfacesで「Golden Hour」。

 

恋人と一緒にいる時間がカラフルに感じられることが、歌詞からもうかがえます。

こんな風に思われて歌にしてもらえる方は、きっと魅力的なのでしょうね。恋人とのデートの前に、この曲をかけて気合を入れて、デートに臨まれるのも、ロマンティックで、いいのではないでしょうか。

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ここまで、秋のプレイリストを振り返ると、「夏の気配を感じながら、秋に移行していく心の動き」を感じることが出来たのですが、いかがでしょうか。

 

しめくくりは、王道のアコースティックナンバーをご紹介。

Nolah Jonesで「Shoot The Moon」。

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過行く夏を思うとき、人は、なぜか、「お別れ」を感じてしまうのだと思います。

静かに色を変えていく景色は、孤独をくっきりと映し出しているようで、

だから、人は秋に芸術を求めてしまうのかもしれません。お別れを静かに受け止めて、悟りの境地にいるこの曲は、秋から冬にかけて、私たちの心に彩を添えてくれるような気がします。

 

とっておきの秋に聴きたいプレイリスト特集。いかがでしたでしょうか?

美しい曲と共に、貴方の秋が、充実したものになりますように。

 

芸術の秋に寄せて、9月はプレイリスト強化月間の気分です。また、心彩る名曲の数々で、皆様とお目にかかれることを願っております。