Who will be the king on the ice? 氷上の氷を溶かして… フィギュアスケートグランプリシリーズスケートアメリカ 男子SPについて

 

いよいよ、フィギュアスケートグランプリシリーズ。スケートアメリカの火ぶたが切って落とされました。ここまで、選手一人ひとりがどのようにブラッシュアップさせてきているのか、非常に気になりますよね。

早速、フィギュアスケート男子シングルのショートプログラムから、気になった選手の演技を振り返っていきたいと思います。

 

 

 

島田高志郎選手

急遽出場ということで、調整があまりうまくいってなかったのかなと、心配になりました。思うようにジャンプがはまらず、苦戦しているように見えましたが、ステップ要素になると笑顔満開で、見る人を高志郎くんの世界に誘います。軽快で小粋なプログラムの雰囲気を音楽に乗せて演じ切り、拍手が起こりました。

 

三宅星南選手

冒頭の4回転、緊張していたと思いますが、しっかりときめて、見ている側にインパクトを与えてくれます。トリプルアクセルでミスはありましたが、曲の盛り上がりと共にドラマティックな面を随所に発揮して、映画「ゴースト」の主人公になりきったフィニッシュはミスを忘れさせてくれるようで、存在感が光りました。

 

イリア・マリニン選手

ブルース調の大人っぽい選曲を、クールに滑り切っていました。途中、4回転で転倒。しかし、その後は立て直し、随所に技術力の高さを発揮していたのがさすが。年齢を考えるとここまで、演技を大技入りでまとめ上げられる、プロフェッショナルな姿勢にただただ、脱帽です。FPではどんな演技を見せて、私たちを驚かせてくれるのか、楽しみでなりません。

 

ダニエル・グラスル選手

クワドルッツを鮮やかにきめて、ポテンシャルの高さをみせつけてくれました。体の柔らかい選手。随所に魅せる軟体スピン、あれ、女子選手でもなかなかできる人いないような気がします。独特な技術力をみせて、SP3位。FPでも要注目の選手の一人です。

 

チャ・ジュンファン選手

個人的にとても好きな、マイケルジャクソンプログラム。首の動かし方や、ムーンウォーク等、随所にマイケルらしさをとりいれながら、彼独自の妖艶さと、軽快さ、技術の正確さを余すところなく発揮。トリプルルッツトリプルループのコンビネーションをきめてくるところに、独自性を感じます。優雅な部分とキレのある部分のバランスがとれているので、魅せるプログラムの幅の広さは強みになると思います。

 

三浦佳生選手

最初から最後まで疾走感の溢れるタンゴを演じました。ジャンプが軽やかにきまると、次々、繰り出すエレメンツがシャープで見ごたえがあります。特に、スピンのスピードがアップしたように思いました。女性をダンスに誘い、踊りを終えるようなエンディング。起承転結がしっかりと伝わるスケーティングを披露してくれて、ショートプログラム、トップに立ちました。FPに向けて期待が高まります。

 

オリンピックが終わって、アマチュア競技から去っていった選手。休業中の選手など、様々ですが、やはり、試合がはじまると、一気に冬の競技としての盛り上がりが見えてきましたね。一体、氷上の王者は誰になるのでしょうか? 氷が解けるほどの熱演を、つぶさに見守っていきたいと思います。