狂気の調べに乗せて… Believer by Imagine Dragonsプログラム特集

 

 

つい最近、フィギュアスケートシーズン突入し、試合がちらほらと行われはじめました。プログラム情報も、少しずつ、解禁になってきましたね。

試合やアイスショーでプログラムをチェックし始めたとき、ある曲が、フィギュアスケーターの間で人気集中していることに気が付きました。

その曲は、Imagine Dragons – Believer。

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狂気が漂うメロディーとボーカル。痛みを乗り越えて、強くなっていこうとする気持ちを強く描いたメッセージソングです。

一度、曲を聴けば、「あ!聴いたことがある!」と誰もが思うほどに有名な曲です。

 

今回は、この曲に魅せられ、この曲を表現することにチャレンジしているスケーターに注目し、演技の印象を綴っていきたいと思います。

 

今シーズン、この曲をSPに選んでいるのは、北京オリンピック銀メダリストの鍵山優真選手。普段、大人しそうで内気そうに見える彼が、この激しいプログラム?と、少々意外な気がしたのですが、演技を通して見てみると、違和感はあまりありませんでした。体幹がしっかりしている鍵山くんは、体重移動の難しそうな微妙な動きもスムーズにこなしているように見えます。全体的に感じられるのは、内側に秘めたエネルギー。抑制が効いているからこそ、曲の持つ、メッセージ性にも説得力が生まれるのかな、という印象。試合の緊張感の中で、ジャンプが決まってきたときには、更に迫力が高まる気がします。本来、気の強い選手だと思うので、試合で見る時には、メリハリが更について、はまりプロになっていくと期待。イメージを一新する予感が感じられました。

 

弱冠13歳にして、この曲で自分を表現するスケーターがいます。ジュニアの注目株、中田 璃士(りお)選手です。この曲は、去年もSPで使用し、今シーズンも持ち越しているということは、自身がお気に入りのナンバーなのでしょうか?

一見、幼い容貌の彼が、曲が始まったとたんに豹変。この曲の持つ、激しさとクールさをうまく使い分け、曲と一体になる中田選手がそこにいます。すごく自然に、曲をとらえていて、ミュージックビデオを見ているような気にさせてくれます。彼なりにこの曲の物語を表現できているので、試合であることを一瞬、忘れさせてくれるような高揚感が残ります。

ジュニアグランプリシリーズのリーガ杯では、見事なトリプルアクセルを決め、今後の飛躍も一気に期待させてくれる演技を見せてくれました。

エモーショナルなスケートプリンスが、今後、どのようにこの曲を更に輝かせていくのか、要注目ですね。

 

そして、韓国の人気スケーター、チャ・ジュンファン選手も、ショーナンバーで、この曲を披露してくれました。全体的になめらかさとしなやかさが際立つ表現になっていて、どこか、大人の妖艶さも感じさせてくれました。

私は、個人的に彼のイナ・バウアーが大好きなのですが、曲の盛り上がりで、効果的に魅せているのがとても好印象。曲のイメージはどこか、ソフトに落ち着き、ミステリアスな要素が強くなっているところに個性を感じます。

彼は、洋楽を滑るセンスがずば抜けていると、感じていましたが、今回も、存分に魅力を発揮してくれています。

 

同じアーティストの同じ曲でも、滑る選手によって、こんなにも見える景色が違うことにびっくりしてしまいました。時代の空気を切り取るようなメッセージ性の強いこの曲は、スケーターにとって、イマジネーションを掻き立てられるのかもしれません。

 

今シーズンのハイライトとして、この曲、プログラム、スケーターに注目してみるのも、新たな発見が出来て楽しいです。

 

これから始まる新しいシーズンも、更に、いろいろな音楽、いろいろなプログラムに注目してみていきたいと思います。