赤い靴は救世主。お洒落が下手な私のお話
今週のお題「赤いもの」
赤い靴がずっと好きだった。特に好きなのは赤いバレエシューズ。
黒を着がちな秋の季節。上下黒のコーディネートになることも珍しくない。
黒いスウェットに黒いパンツ。どこまでもシックなトーンにひとさじ、赤いアイテムを足す。赤い靴でもいい、赤いベルトでもいい。赤いバックでもいい。
でも、赤いバレエシューズを履くと、なぜか、自分がとてもお洒落な装いをしているような気になって、気持ちが華やぐのだ。
赤と黒はとても相性がいい。フィギュアスケートのコスチュームでも、女性のスケーターは赤と黒の組み合わせのコスチュームを着ていることが多い。
そんなときの演目は大抵、スパニッシュダンスか、タンゴになるような気がする。
どこか抑えた中にほとばしる情熱という解釈なのだろうか、黒と赤のスカートをひらひらさせて宙を舞うスケーターたちはとても美しかった。
そんな、赤と黒が好きだった私に、最近ちょっとした変化が訪れるようになった。
今年はなんだか、ブラウンやベージュの洋服がとても流行っている。
カーキっぽいブラウンや、ミルクティーのようなベージュ。今年の茶系は多種多様な色身を帯びていて、カラフルな色よりも気持ちがそそられる。
そんなブラウンやベージュも、実は赤い靴と相性がいいのではないか、と思うようになったのだ。今年の冬は、ライトブラウンのニットワンピースに赤い靴を履いてみようか、ベージュのコートに赤いストールを巻いてみようか。今から、来る冬の装いのためにコーディネイトを考えるのは、とても楽しい。そして、そういうときでも、私は差し色としての赤をどこか意識する。
コロナで、どこにも遊びには行けないけど、どこにも遊びに行けないからこそ、赤い靴はたまのお出かけを特別なものにしてくれるのかもしれない。
赤はお洒落がそれほど得意ではない私の救世主の色なのである。