To be continued. スケートアメリカ観戦記2

フィギュアスケートグランプリシリーズ。スケートアメリカも2日目。今日も、目が離せない戦いが目白押しでしたね~。時差の関係上、全て追いきれなかったのですが、個人的に心に触れた瞬間を綴っていこうと思います。
まず、女子シングル。宮原知子選手。ジャンプにミスはありながらも、スピードの中で、流れるようなバラードの世界をしっとりと演じきっていました。プログラムの緩急の付け方が、年々、磨きがかかっているように見えます。FPで巻き返しを期待しています。
更に、坂本花織選手、連続ジャンプで2回転になってしまいましたが、あきらめずセカンドジャンプにトリプルをつけました。あきらめない気持ちは、非常に大事だと思います。他のステップやスピンでは、持ち前の伸びやかさを発揮し、点差が少ない中での4位につけました。彼女の技術、表現ともに、今とても成熟していて、魅力的。本調子ではなくても、高得点につながることが、自信につながっていくのではないでしょうか。FPも、いい集中で臨めますように。
りくりゅう、ペアの三浦・木原組。悲願の銀メダル、おめでとう。高橋・トラン組の世界選手権銅メダルか、10年振りの快挙ですね。一試合、一試合、お互いの絆を深め、世界に実力が認められたこと、日本人として、とても、誇らしい瞬間でした。終始、笑顔で演技がつながっていくのは、見ていて気持ちが良かったです。気持ちが強いまま、フィニッシュまで滑りぬけました。これは、地上波で放送してほしかった❗

男子シングルも、大混戦。肩の怪我が気がかりだった佐藤駿選手。しんどい中、難しいジャンプに果敢にトライ。大きく早い回転速度のジャンプを決めて、4位に入りました。レベルの高い選手たちの中で、思いきってのびのびと演じきれたこと、高得点が出たことは、今後に絶対つながってくると思います。世界の佐藤駿として、一気に知名度が上がったと信じています。
世界王者、ネイサンチェン。フリーも生彩を欠いてしまいました。ジャンプが抜けるなど、ミス連発。メンタルが少し心配になりました。このネット社会、様々な声が聞こえる中、彼はある意味「ミスは絶対に許されない」という重圧を人一倍抱えていることでしょう。ただ、不調の中で、4回転3回転の高難度ジャンプを2度きめられたことは、さすが、と思いました。次の試合で挽回できるか、彼にとっては正念場でしょう。
2位の宇野昌磨選手。ショート同様、ミスが響きました。回転が微妙なジャンプがちらほら。しかし、大きなミスは食い止めて、プログラムの世界が壊れることはありませんでした。一度、グランプリシリーズで失敗の連続を経験して、調子を上げるのに、苦労してきた彼ですが、踏みとどまろうとする執念を感じました。音楽表現やエッジの深さなど、これまでと違うな、と感じさせてくれるところも随所に感じられたのは、良かったと思います。
そして、最終滑走、ヴィンセントジョウ。唯一ノーミス。素晴らしい演技でした。力みもなく、ヴィンスの物語が完成されて、そこには喜びがありました。ジャンプには、回転不足やエッジのアテンションなど、課題ものこりましたが、それは、更に更に演技をブラッシュアップしていけるということだと思います。去年の世界選手権、ショート落ちの挫折から、よくここまで、頑張ってきた、と思います。今季のヴィンスは、新たな歴史を作ってくれました。
うまくいった選手、課題が残った選手、結果は様々です。おそらく、選手たちは、試合から一番多くのことを学ぶのだと思います。見ている私たちは勝手。賞賛も批判も瞬時に沸き上がります。でも、ひとつだけ、プラスの意見もマイナスの意見も、せめて実際に自分の目で見て、どう感じたかが大事。そこだけ、忘れないでいたいです。
次回はスケートカナダ。物語は更に続きます。選手も、私たちもステイヘルシーで再会しましょう!