Love history project インターネットのつながりの中で見えたもの

はてなインターネット文学賞「わたしとインターネット」

インターネットが、自分にとって身近になったのは、社会人になって3年目ぐらいから。最初の内は、好きなミュージシャンの情報交換のため、「掲示板」というツールをあちこち梯子していた。いわゆる、「推し活」の走りだが、そのころの私は、推しに対する愛だけが先走って、自己満足な投稿ばかりしていたように思う。まだまだ、周りは見えていなかった。(まあ、今でもそういうところがあるかもしれないが。。。)

そのうち、情報交換はツイッターやインスタグラム等のSNSに変わっていった。そのころ、私はフィギュアスケートにはまり始めていた。選手たちの練習状況や、オフのふとした日常の一こまを、国内外問わず網羅できるSNSは、推し活にとって重要なツールとなっていった。わずか、数行の言葉の中には、それぞれの選手のストーリーが凝縮されて映し出されていた。それまで、テレビや雑誌の中でしか、届かなかった推し達の人生の一こまを目撃したような気分。毎日、SNSをチェックするのは、日課になっていった。

そのうち、ただ、チェックするのは物足りない。自分も参加して、思いを形にしてみたい、と思うのに、大して時間はかからなかった。

多くは望んでいなかった。たくさんの方に読まれることとか、フォロワーさんが増えることとか、自分にとっては遠いこと。たまに数人「いいね」がつくことをはげみに、私は選手の演技の感想をひたすら、つぶやき続けていた。

名前も顔も分からないフォロワーさんたち。だけど、ツイッター歴が長くなっていくごとに、それぞれの日常や個性が少しずつ、身近になっていった。ニュースで地震があった地域をみて、「あのフォロワーさん、大丈夫かな?」と密かに心配したりもした。誰かがリツイートした曲をきっかけにそのアーティストにはまったり。つながりが新たな趣味を開拓してくれたこともある。

ある時、一人のフォロワーさんにツイートを誉めてもらったことがある。「Ya-koさんの言葉は水が流れるみたいに心地良いから、長い文章で言葉を綴ってみたらいいと思います」と。とても、びっくりした。だって、その方は、いつも感受性豊かな文章をツイッターに綴っていた方の一人だったから。そのような温かい言葉に触れたとき、「いつか、ブログを書いてみようかな?」という思いが自分の中に浮かび上がってきた。

今、私はブログというツールで自分の好きな世界を少しだけ、掘り下げる作業を進めている。

その背景にあるものは、私とつながってくれたフォロワーさんたちがもたらしてくれた、「愛の溢れる歴史の断片」だ。みんなで「好き」を共有して、4年が経つ。その間、ずっと楽しみにしていた試合や、アイスショートークショーに、ライブ。多くの熱が、多くの愛が、タイムラインに降り積もってきた。そんなふうにつながって、降り積もった素敵なものを少しでも、形にしたい。少しでも書き残していきたいな。そういう気持ちが、今、私の「書く」ことの原動力になっている。私にとって、ブログは、いわば、「Love history project」なのだと思う。これからも、新たな世界のドアを開いたり、より一層の愛に心を留める日々を送っていきたい。進化し続けるインターネットの波と共に。