ヴィンスのファンミーティングと安全地帯のこと

 5月15日の午前10時、私はZoomであるフィギュアスケーターのファンミーティングに参加していた。そのスケーターとは、以前ブログ「ヴィンセントが『Vincent』を滑るまで」でご紹介したヴィンセント・ジョウ選手だ。

ブログを書いてしばらくたった時、ヴィンセントがファンミーティングを開催するということを知り、そういえば、彼がオフィシャルに自分のことを語る姿をしばらく見ていないな~ということを思い出した。アイスショーもなかなか、現地で見に行けない昨今、Zoomの向こうとはいえ、彼と触れ合える時間はめったにないと感じ、すぐさま応募に踏み切った私。

 

 当日、わくわくしながら、Zoomにアクセスすると、そこには、なんと、日本のファンのために和服を着たヴィンスの姿が!! え? 自分で帯締めて和服着たの? 和服、日本人が着るのだって、難しいよ。帯の結び方上手だな~。思わぬファンサービスに緊張していた、ファン方々の表情が、ほころんでいくのを感じた。

 

  Zoomで相対したヴィンスは、とてもおとなしそうで、几帳面かつ気遣いに長けた好青年だった。ファンの質問にも丁寧に言葉を選んで対応してくれるし、記念撮影では、「あのポーズとって!」「このポーズとって!」というファンの要望に「あそこの位置に行った方がちゃんと全身見えるかな?」と場所を移動したり、「(ぬいぐるみの)どーもくんと一緒に写真を撮らせて」という要求には、わざわざほかの部屋から大量のどーもくんを抱えて来たり、ものすごく律儀にファンサービスしてくれる。「歌って!」との無茶ぶりには、「歌は習ってみたいけど、今は歌えない…」と照れ臭そうに答えてくれて、そんなところも、とても好感がもてた。

 

  ヴィンスが質問コーナーで答えてくれたことには、興味深いことがたくさんあった。

気に入ってるプログラムは自身がジュニアワールドで優勝した時のフリープログラム「カサブランカ」と、シニアの世界選手権で銅メダルに入った「グリーンディステニー」であること。自分以外で好きなプログラムは、バンクーバーオリンピック金メダリスト エヴァン・ライザチェックの「シェヘラザード」と五輪二連覇 羽生結弦選手の「ロミオとジュリエット(おそらく旧バージョンとのこと)」だということ。

 

  そして、なんと、日本の歌で好きな歌は、安全地帯 玉置浩二さんが歌う、「行かないで」という歌であること! 個人的にこの情報が私の心のつぼに大きくはまってしまった。どうやら、この「行かないで」という歌は中国の歌手の方がカバーした経緯で、ヴィンスは知ったみたい。中国語のタイトルは「秋意浓」。どちらのバージョンも切なく相手を想い、心を情念に浸しているような曲。言われてみれば、ヴィンスにとても似合いそうに思える。

  ファンミのアシスタントの方々、運営の方々が、とてもしっかりと進行してくださったので、話題が盛りだくさんで、スムーズにイベントを終えることができて、私を含め、参加したファンの方々みんな、満足で、楽しい余韻に浸れた。あちこちで「楽しかった」と盛り上がるタイムライン。

 

  後日、ファンミのクイズ大会で当たったファンに向けてのプレゼントが私の家に到着して、二度びっくり! 「え! サインと一緒に、こんなに豪華なプレゼントの数々、本当にいいの?」ファンミに参加しただけでもうれしかったのに、終わった後に思わぬサプライズ。このミーティングを企画、募集し、進行を考えるだけでも大変だったはずなのに、ファンミが終わった後も、プレゼントの発送とか、一人一人に心を砕いていただいて… 無料のイベントにここまで至れり尽くせりで、ただただ頭が下がります。今度、また同じようなイベントがあったら、絶対参加したい!

 

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最後に、ヴィンセントが安全地帯の歌で滑るとしたら、どんな曲で滑ってほしいか、ランキング形式で皆様にご紹介したいと思う。

 

第一位 「好きさ」 1986年の名曲。相手に対する募る思いがあふれ出ているナンバー。少し、年齢を考えると、大人な感じかな~と思うのだが、考えてみるとヴィンスは「Slow dancing in the dark」で、退廃的で暗い愛の情念をぴったりと曲に寄り添い、見事に演じきっていた。溺れてしまうような愛の苦しみ、切なさが彼には、なんとなくよく似合う。玉置浩二さんのもがくようなボーカルも、ヴィンスのイーグルと相性がよさそうだ。と思い、選曲。

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第二位 「碧い瞳のエリス」

なぜ、これにしたかというと、ヴィンスって私の中で、色のイメージ「青」なんですよね。少し、寂し気で陰りがありながら、どこまでも澄んでいるものを感じる、そんなイメージ。この歌もどこか切なく、シチュエーションはいろんな解釈ができそう。そして、メロディーが起承転結すごくまとまっているので、曲の盛り上がりとともに、情熱的に演じていきそうな感じだと思う。

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第三位 「悲しみにさよなら」

第一位、第二位と比べると、少し、ポジティヴな光を感じるこの曲。今のヴィンスだったら、いろんなカラーで滑りこなしてくれそう。

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   ヴィンスのファンミをきっかけに、安全地帯の曲の素晴らしさに改めて感動した私は、時間があると最近、安全地帯の曲を鬼リピしている。こういう素敵な振り返りの時間を与えてくれたヴィンスと、ファンミを運営してくださった方々に、ただただ感謝している。